大麦のヒットに学ぶエビデンス・マーケティング、「食品機能性表示制度」対策はこれだ!

エビデンスを販売につなげる

2014年5月に開かれた日本糖尿病学会学術集会などで配布されたリーフレットの表紙。

ベジタブルファースト、大麦ともに消費者インサイトに訴求することができたのには、きっちりとしたヒト試験で実証された食後高血糖抑制やダイエット効果に関するエビデンスが寄与しているのは間違いない。またそれぞれに、信頼のおけるコメントができるアカデミアの専門家がいるため、メディアは説得力のあるストーリーを構築することができた。

しかし一方で、エビデンスは一つの手段に過ぎないことを忘れてはならないだろう。たとえば、ある食品に関して海外でどれだけ良いエビデンスが取得できていても、それが私たち日本人にとって食経験のないものであれば、安全性から担保し日本人での有効性を検証しなければならないし、メディアも読者が感情移入できるストーリーを描くことが困難なケースも多い。

そして何より、食品である以上、おいしく無理なく食べ続けられることができなければ消費者はついてこない。その点、今回取り上げた二つの事例は、手軽においしく続けるための提案にも腐心している。ナチュラルローソンは、野菜量が多くおいしいベジタブルファーストメニュー開発のため、京料理「菊乃井」 常務で自身でもアンチエイジングレストラン「リール」(東京都・港区)を経営する堀知佐子さんを監修に日夜磨きをかけてきた。

そしてはくばくは、著名な料理研究家浜内千波さんとともに手軽に家庭で作れるレシピを考案。また主食以外での利用を促進するため、ある程度の量の大麦を一度にゆでて小分けして冷凍保存し、サラダなどに野菜感覚で使う提案などを行って消費者の心をつかんだ。

新たな食品の機能性表示制度を事業拡大機会にしたいと考える企業は、 自社が持つ素材について、エビデンスはもちろん、それが消費者の共感を得ることが可能かどうかをしっかり検証した上で、マーケティングストーリーを描く必要があるだろう。


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西沢 邦浩(にしざわ・くにひろ) 氏 
日経BP ヒット総合研究所 上席研究員

小学館を経て、1991年日 経BP社入社。開発部次長として、『日経エンタテ インメント!』の創刊などに携わる。98年『日経 ヘルス』創刊時に副編集長に着任。2005年より編 集長。08年『日経ヘルス プルミエ』編集長。14 年から早稲田大学大学院先進理工学研究科非常勤講 師。「大人のラヂオ」(ラジオ日経)ほか、TV、 ラジオ、セミナー講師等多数。
『ヘルスケアマーケティング実践講座』
2015年3月12日(木)、3月13日(金)

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ヘルスケアマーケティング実践講座事務局
ヘルスケアマーケティング実践講座事務局


エーエムジェー 代表取締役 赤坂卓哉氏
企業の通販広告・店販広告全般のコンサルティングを行う。TV・ラジオにて累計2000回以上の通販番組を担当。通販において豊富な知識と実績を有する。通販や店販に欠かせない「薬事法」や「景品表示法」に深く精通し、法律を守りながら広告として成立つ「シズル感のある広告表現」を得意としている。企業の法務チェックも手掛けている。


日経BP
ヒット総合研究所 上席研究員 西沢邦浩氏(にしざわ・くにひろ)
小学館を経て、1991年日経BP社入社。開発部次長として、『日経エンタテインメント!』の創刊などに携わる。98年『日経ヘルス』創刊時に副編集長に着任。2005年より編集長。08年『日経ヘルス プルミエ』編集長。14年から早稲田大学大学院先進理工学研究科非常勤講師。「大人のラヂオ」(ラジオ日経)ほか、TV、ラジオ、セミナー講師等多数。


マッキャンヘルスコミュニケーションズ
CKO(最高知識責任者)
西根英一氏(にしね・えいいち)
健康・医療・美容のマーケティング戦略とコミュニケーション設計を専門とする。マッキャンヘルスコミュニケーションズCKO(最高知識責任者)、千葉商科大学サービス創造学部非常勤講師(「健康サービス論」「調査法」ほか)。日本広告学会、日本臨床腫瘍学会の正会員、日本メディカルライター協会、日本医学ジャーナリスト協会の協会員。厚生労働省「すこやか生活習慣国民運動」(健康日本21)の推進室室長等を歴任。3月に、宣伝会議から『生活者ニーズから発想する健康・美容ビジネス『マーケティングの基本』』が刊行の予定。

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エーエムジェー 代表取締役 赤坂卓哉氏
企業の通販広告・店販広告全般のコンサルティングを行う。TV・ラジオにて累計2000回以上の通販番組を担当。通販において豊富な知識と実績を有する。通販や店販に欠かせない「薬事法」や「景品表示法」に深く精通し、法律を守りながら広告として成立つ「シズル感のある広告表現」を得意としている。企業の法務チェックも手掛けている。


日経BP
ヒット総合研究所 上席研究員 西沢邦浩氏(にしざわ・くにひろ)
小学館を経て、1991年日経BP社入社。開発部次長として、『日経エンタテインメント!』の創刊などに携わる。98年『日経ヘルス』創刊時に副編集長に着任。2005年より編集長。08年『日経ヘルス プルミエ』編集長。14年から早稲田大学大学院先進理工学研究科非常勤講師。「大人のラヂオ」(ラジオ日経)ほか、TV、ラジオ、セミナー講師等多数。


マッキャンヘルスコミュニケーションズ
CKO(最高知識責任者)
西根英一氏(にしね・えいいち)
健康・医療・美容のマーケティング戦略とコミュニケーション設計を専門とする。マッキャンヘルスコミュニケーションズCKO(最高知識責任者)、千葉商科大学サービス創造学部非常勤講師(「健康サービス論」「調査法」ほか)。日本広告学会、日本臨床腫瘍学会の正会員、日本メディカルライター協会、日本医学ジャーナリスト協会の協会員。厚生労働省「すこやか生活習慣国民運動」(健康日本21)の推進室室長等を歴任。3月に、宣伝会議から『生活者ニーズから発想する健康・美容ビジネス『マーケティングの基本』』が刊行の予定。

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