マスマーケティングの常識は通じない?デジタルがマーケティングを変えていく

【前回のコラム】「ジェダイの騎士を目指すか、エンタープライズで旅に出るか、マーケティングの二つの道」はこちら

デジタルがマーケティングを成約から解放する

画像提供 Shutterstock

デジタルマーケティングのテクノロジーの進化によって明らかになってきたのは、これまでのトラディショナルなマーケティングの考え方がすでに通用しなくなっているという事実ではないでしょうか。

テレビや新聞のようなマスメディアを主体としたマーケティングを実施するにはもちろん大きな予算が必要で、その投資を無駄にしないためには、さまざまな仮説や想定をする、というのがこれまでの前提となる考え方でした。事前のテストは可能ですが、時間やお金がかかりますし、本番に近い結果が得られる保証はありません。

そのような状況だと事前にいろいろなアイデアが出たとしても、予算の関係から最終的に一つのアイデアに絞らなければならないので、結果的に会議室で偉い人が意思決定するようなパターンに陥ってしまいます。

これは決してマーケティングが経験や勘だけで通用するような領域だからというわけでなく、旧来のマスマーケティングが予算や時間的、手法的な制約に縛られていたためであったと言えます。

一方、デジタルマーケティングにおいては、これまで会議室でしか議論できていなかったクリエイティブのアイデアなどの複数の仮説を安価でスピーディにテストできます。これまで前提だった時間的および予算的制約が減ったためで、逆にそのことで従来のマスマーケティングでは常識だった考え方に変わる新しいプロセスが必要になるのではないかと思います。

その一つはテスト環境です。A/Bテストのような考え方はWebサイトのユーザビリティ改善だけに応用されるものではなく、スケールの大きなクリエイティブにも活用できるようになりました。これまで会議室で行われていたアイデアやメッセージの仮説検証がデジタルメディアを活用すれば、安価にスピーディに複数案をテスト可能です。最近は、CMでも動画広告の配信結果でテストすれば同様の結果が得られます。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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