目標額に達しないと1円も振り込まれない、実施者の審査が重要
クラウドファンディングの仕組みでは、一般に募集期間中に集まった金額がすべて振り込まれるAll-in型と、目標額に達しないと振り込まれない(集金されない、あるいは返金される)All or Nothing型があり、ECFでは原則All or Nothing型であるという。ECF型では支援に応じた見返りが決まっており、目標金額に達しないと見返りを提供できないためにそのような仕組みが取られている。kibidangoの松崎良太CEOは、「目標額が集まらないと手数料もゼロなので、プロジェクトを成功に導くためのアドバイスやコンサルティングには力を入れている」と語りさらに同社のポリシーとして「等価交換モデルしか実施しない」ということである。筆者もまさにこの点がECFを“寄付型”“投資型”との大きな違いであり、ECFがマーケティングツールとして健全に育つための大きな必要条件ではないかと考える。
独自のプラットフォームだけではなくASP提供モデルも進行中
ECFは様々なジャンルで行われており、物理的な商品以外にもコンテンツや作品(映画、音楽、イベント、芸術作品など)の制作事例も多く出てきているという。
その分野で多くの実績を持つGREEN FUNDINGでは、「作品の世界観を担保するために自社プラットフォームで展開を希望する事例も多い」(沼田健彦CEO)ということで、自社サイトにてECFを展開できるサービスをASP提供しており、「楽天のようなプラットフォーム展開を目指す」(沼田氏)としている。プロジェクトを実行する企業も自社のブランドを活用して展開できるためにこのような方式も有効になってくる可能性があるだろう。
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江端 浩人(事業構想大学院大学教授)
米ニューヨーク・マンハッタン生まれ。米スタンフォード大学経営大学院修了、経営学修士(MBA)取得。伊藤忠商事の宇宙・情報部門、ITベンチャーの創業を経て、2005年日本コカ・コーラ入社、iマーケティングバイスプレジデント。2012年9月から日本マイクロソフト業務執行役員セントラルマーケティング本部長。2014年11月よりアイ・エム・ジェイ執行役員CMO。2017年3月ディー・エヌ・エー(DeNA)入社。現在、同社執行役員メディア統括部長兼株式会社MERY副社長。
日本コカ・コーラ在職中は、同社が運営する会員制サイト「コカ・コーラ パーク」を開発し会員数約1200万人、月間PV約10億を誇る巨大メディアに成長させた。
日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会が主催する「Webクリエーション・アウォード」で、2010年度の最高賞「Web人大賞」を受賞。2014年に日経BP広告大賞を受賞。2012年4月に開学した「事業構想大学院大学」の教授に就任。日本マーケティング学会会員。
米ニューヨーク・マンハッタン生まれ。米スタンフォード大学経営大学院修了、経営学修士(MBA)取得。伊藤忠商事の宇宙・情報部門、ITベンチャーの創業を経て、2005年日本コカ・コーラ入社、iマーケティングバイスプレジデント。2012年9月から日本マイクロソフト業務執行役員セントラルマーケティング本部長。2014年11月よりアイ・エム・ジェイ執行役員CMO。2017年3月ディー・エヌ・エー(DeNA)入社。現在、同社執行役員メディア統括部長兼株式会社MERY副社長。
日本コカ・コーラ在職中は、同社が運営する会員制サイト「コカ・コーラ パーク」を開発し会員数約1200万人、月間PV約10億を誇る巨大メディアに成長させた。
日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会が主催する「Webクリエーション・アウォード」で、2010年度の最高賞「Web人大賞」を受賞。2014年に日経BP広告大賞を受賞。2012年4月に開学した「事業構想大学院大学」の教授に就任。日本マーケティング学会会員。
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