エクスペディア(木村 奈津子氏)
お客様とブランドの接点で一番、重要な瞬間は?
当社はオンラインでのセルフサービスになるので、顧客接点=WEBサイトとなります。よって、外国生まれのWEBサイトをいかに日本の顧客に満足して旅行予約をしていただけるか、翻訳にとどまらない、ローカライゼーションや、テクノロジーを駆使した機能向上に注力しています。
まずは、お客様がどんな旅を望んでいるのか、その情報を知ることが第一歩。そこで、どの端末からアクセスしても、簡単に検索できるよう、サイトは検索のモジュールだけのシンプルなスタイルにしている。まずは「行きたい場所」、「行きたい期間」を入力してサーチしていただく。検索し、一度情報をプルしていただければ、データとして蓄積され、一人ひとりのお客様に合ったパーソナライズドしたリコメンドへと進化させていくことができるため。
またオンラインのみでビジネスをしているという特性上、当然サイトという接点が非常に重要ではある。特に日本でサービスを開始した当初は、本国米国のシステムを日本語に翻訳して使用していたため、ローカライゼーションが十分ではなく、使い勝手に不満感を与えてしまうこともあった。
しかし旅行という高価格商材の特性上、ちょっとした不満感から不信感が生まれ、購入の妨げになってしまうこともわかった。いかにして、日本の人たちの慣習に合わせた、サイトのローカライゼーションを進めるか、サイトのユーザビリティの向上が、経営に直結するテーマだと考えている。
オリンパス(増田 孝 氏)
お客様とブランドの接点で一番、重要な瞬間は?
「体感イベント」。デジタルカメラの主流が、コンパクトタイプから一眼タイプに移行。一眼はコンパクトと比べると、大きく、多機能であるため、購入前にホールディング性や操作性をチェックするために、実際に体感してもらうことが重要。
重要な接点を1点だけ選ぶということなら、それは「体感イベント」。特に、ミラーレス一眼では「体感イベント」に力を入れている。本当に自分の手にフィットするかなど、実際に触って、体感してみないと商品の良さがなかなか伝わらないためだ。
また、最近はリアルな接点を重視していて、お客様のコミュニティづくりにも力を入れている。これまで、カメラは長持ちする商材のため、売り切り形のビジネスで、買っていただいたところで関係性は終わっていた。
しかし、ミラーレス一眼は本体の購入後、様々な付属品を購入いただけるチャンスもあり、関係性の継続が大事だと考えてのこと。購入前も購入後も、お客様との直接接点は重要になっていると考えている。
今回の研究会は社会人経験の大半を、ブランディング、マーケティングの仕事をして専門キャリアを積んできた4名だったこともあり、各自が発表する課題に対して、一消費者の視点も加わった、マーケティングアイデアが多くあがってきた。
研究会の最後にモデレーターの加藤氏は「『ORACAS』や『ストップ、ステイ、セル』など、互いのブランドのカスタマージャーニーを共有することで、各社の知見を共有することができた。また各ブランドのカスタマージャーニーを聞くと、消費者が確実に変化をし、またそれに対応して企業も変わっていかなければならない様子も見えてきた。そこで必要とされているのは、『お客様視点』。全4回の研究会を通じ、必ずしもCMOという役職、役割から組織をつくる必要はない。お客様を中心にマーケティング部門の組織や役割を見直すことが重要であり、その役割を率先して牽引していく存在としてのマーケターの役割に期待が寄せられているのだと考えている」と話し、今後も「JAPAN CMO CLUB」が日本のマーケターの集合知を作り、ますます役割が重くなっていくマーケターの支援につながればと総括した。
JAPAN CMO CLUB
https://www.advertimes.com/special/cmoclub/