新しさと普遍性 両者のバランスを見極めたコミュニケーションを
大久保 マーケターや広報担当者を対象にデジタル施策の効果について調査したところ、顧客とコミュニケーションが取れる、効果が可視化しやすい、二次訴求が効きやすいという意見が多く聞かれました。貴社の場合も、テレビCMの先にデジタルを効果的にひも付けていらっしゃると感じました。
テレビCMを見て興味を持ってから、最終的に購入の決断をするまでの期間を、PRとWeb施策の相乗効果で飽きさせずに長い期間つなぎとめる。オウンドメディアの情報更新の狙いが非常に明確ですね。
新井 そうですね。購入に向けて検討を重ねていく中で、何度もサイトを訪れていただき、そのたびに新しい気づきを提供できるような設計にしています。そうして「このクルマは私に合うな」と、共感していただければと思っています。
大久保 では、アクティブ ツアラーに限らず、BMWに対する“憧れ”を抱かせることに成功した施策を教えてください。
新井 昨年9月にオープンした「#BMWストーリー」は、世界中のBMWファンがfacebook やTwitter などで発信したコンテンツを共有する、新しいブランドサイトです。これについては、国民性もあるので、日本では何かイベントの要素がないと、積極的に投稿しないのではないかと考えました。そこでfacebook上でコンテストを実施して、投稿を促しました。その結果、投稿がシェアされていって輪が広がり、コンテンストが終了してからも、積極的に投稿されるようになりました。
また、アクティブ ツアラーは「青空。家族。BMW。」というこれまでと異なる切り口のコミュニケーションを展開したのに対して、従来のファンの方々が共感できる「#BMWストーリー」というコンテンツを同時進行的にお届けしたところ、そちらはそちらでご好評をいただいて盛り上がり、ブランドに幅が生まれました。こうした流れは、今後も続けていきたいと思っています。
大久保 長く続くブランドだからこそ、守らなければいけないところがある。一方で、新しい価値を提案していかなければ飽きられてしまう。そのあたりのバランス感覚も大切ですね。
新井 BMWらしさを出しながらも、いろいろなことにトライできるのは、やはりサポートしてくださっているお客様のおかげだと思っています。
今回、アクティブ ツアラーを「ファミリー」という切り口で紹介することで、新しい層が興味を持って下さいました。今度はそうした方々が、より走りを重視したモデルをご覧になった時に「面白そうだな」と思っていただけるようなコミュニケーションを行えれば、お客様にとってのBMWのふり幅が大きくなると思います。そして、そのふり幅が大きいほど強いブランドになると考えています。
大久保 最後に、BMWならではのデジタルメディアやソーシャルメデァの活用法について教えてください。
新井 ソーシャルメディアは気軽に接しやすく、共感や親近感を強化できるメディアだと思います。そこでBMWに興味を持っていただいたら、オウンドメディアに誘導して、さらに深くブランドを知っていただく。ソーシャルとオウンド、両方のメディアの特長をおさえて両者を連携させながら活用していきたいと考えています。
大久保 本日は非常に参考になるお話を頂戴できました。ありがとうございました。
新井一慶氏(ビー・エム・ダブリュー BMWマーケティング・ディビジョン ブランド・コミュニケーション&イベント オンライン・マーケティング・マネジャー)
米国サンディエゴ大学を卒業後、アメリカでメーカーのマーケティングやブランドの立ち上げに12年間従事。日本に帰国後、外資系広告代理店マッキャンエリクソンを経て2012年BMWジャパンに入社。
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