2015年の春節時期の売上は昨年同時期の3~6倍!—注目の訪日観光客市場を狙う

ファンをつくるには口コミをマネジメントする

3.購入中(店頭)

外国人観光客に自分たちのお店や施設の中に足を踏み入れてもらうには、最終的には店頭での施策が必要となります。ここでお金をあまりかけずすぐに実行できるのがPOPです。POPは、店員に代わって店頭を歩く見込み客に情報提供をする看板のようなものです。例えば、「TAX FREE」と書いたPOPを掲げればその店が免税店であることが一目で分かり、「中国語が話せます」と中国語で書いておけば、気兼ねなく中国人観光客が入店することができるでしょう。
同時に販売接客はとても重要な要素です。販売接客力を伸ばすと間違いなく売上も大きく伸びます。少し例をご紹介します。中国人観光客は群を抜いて多くの買い物をしてくれる傾向にあります。彼らは自分のためのだけでなく、家族や親せき、そして、友達用に買い物をすることが多いのが特徴です。その特徴を踏まえると次のような接客も有効です。
2種類の色のカバンの購入を迷っている方がいれば、「1つは自分用に、もう1つはお母さんにどうですか?」と一言声をかけることで高い確率で両方のカバンを買ってくれるのです。これは一例ですが、販売接客においてはまだまだ単価を飛躍的に上げる可能性を秘めていると言えるでしょう。

4.購入後(ファンづくり)

外国人観光客に満足してもらい、ファンになって口コミで広げてもらう。さらにリピートしてもらう。この重要性を疑う余地はないでしょう。では、どのように取り組むべきか?
まず、「今、目の前にいる外国人観光客を魅了する」というスタンスで臨むことが大切です。その上で、「口コミをマネジメントする」こと。多くの施設によくあるのが、勝手に口コミが掲載されている…ということで口コミと対峙せず、放置しているのです。それでは、口コミが影響力を持つこの時代で成功していくことができません。口コミサイトなどで高い評価を得ている施設の多くは、その口コミに対して真摯に対応する、また、返答することをしっかり徹底しています。
ちなみに、外国人観光客に人気レストランランキングで上位に選ばれたある施設では口コミ対応の専任担当を置いています。つまり、口コミの対応こそが最大の広告宣伝として捉えているのです。そのくらい口コミを重要視していくことが大切です。

外国人観光客を取り込むために、外国人目線で彼らに響くコンテンツ・メッセージを絞り込む、そして、4つのステップにおいて、何をすべきか、どういうアプローチがあるのかについて、お伝えしてきました。拡大するインバウンド市場をぜひ皆さんのビジネスチャンスにつなげていっていただければと思います。

村山 慶輔
やまとごころ 代表取締役
訪日外国人集客コンサルタント

2月28日(土)発売
『宣伝会議』4月号「海外から見た、魅力の本質とは? 時代に合った“日本ブランド”発信」

東京オリンピックが開催される2020年には2000万人を突破するという目標が国によって掲げられるなど、さらなる拡大が見込まれる「訪日観光客市場」。企業はどのように “日本ブランド”を活用し、効果的なブランディングおよび自社の売上向上を図るべきか。インバウンドビジネスへの様々なアプローチから、マーケティングのヒントを探ります。
詳細はこちら


3月26日(木)開講
訪日観光客に向けたプロモーション基礎講座

主なカリキュラム:訪日観光客市場を知る効率的なプロモーション/各国のインサイトを突いた表現/最大マーケット「中国」へのプロモーション/「買ってもらう」ためのストーリー構築とメディア選定
詳細はこちら

1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事