「情熱をもって行動し、その熱量で周囲を引っ張っていけるのがリーダー」——カタリナ マーケティング ジャパン 若林社長に聞く

リーダーシップの源は「私利」と「他利」の総量

——リーダーには「やりたいこと」が必要だとのことですが、とはいえ情熱だけだと周囲を顧みずに暴走してしまうおそれがあります。そこをうまく舵取りするのに必要なのはなんでしょうか?

「私利」と「他利」で、両者のバランスが重要だと思います。例えば、野心旺盛で、ちょっとクセがあるくらいの人の方が社会で活躍したりするのはよくあると思います。でも、自分の野心のためのエネルギー以外に、もっと大きな「人のため」という気持ちも必要です。私利と他利のどちらかではなく、二つを合わせたエネルギー量を保ち続けることが大切なのです。リーダーシップの源は、その「私利と他利の総和エネルギー」だと考えています。

——若林社長が求めるリーダーを育てていく上で行っている施策などはありますか?

いくらこちらから成長を促すと言っても、自ら動こうとしない限り成長は難しい。そういう意味では、できるだけ多くの人に公平に機会を与えるようにしています。もっと成長したいと思っている人を見つけて、役職に就けたり、力を伸ばせる場を提供したりしています。
最近感じるのは、日本にはリーダーの素質を持っていながら、英語が話せない人が多いこと。それは本当にもったいないことなので、短期間の英語研修などを仕事で活躍したインセンティブの一環として行うこともあります。

——リーダーに限らず、社員全体に「こういう行動してほしい」「こういう視座を持ってほしい」ということはありますか?

「自分の型」を持ってほしいと思っています。自身の仕事分野における基本をしっかりと身につけることが前提ですが、その上で自分なりの型をつくれるかどうか。簡単に言うと、仕事をするにしても、ディスカッションして何かを生み出すのか、それともひとりで考えて作り出すのかなど、いろいろな型を憶えていくことで、どんな状況にも対応できるようになります。ただ、何においても「自分の型」と言えるようになるには、相当の習熟が必要ですから、一つひとつ経験を積み上げることが大切です。

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[マーケティング研究室]
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時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代なってきている。

このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのか?企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。

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