PR部門を選んだワケ
2014年6月、ついにヤングカンヌへ出場する機会を得ます。
しかもPR部門で。(積極的に選びました)
なぜPR部門を選んだの?
新しい部門で狙い目だと思ったの?
僕が元々PRを専門にやっていたわけではなかったので、よく聞かれるのですが、3年後にいちばん面白くなる部門に出ようと考えた結果でした。
ヤングカンヌには、PR部門以外にデザイン、プリント、サイバー、フィルム、メディアと合計6つの部門が存在しています。3年先を考えたときに、いちばん面白い部門でヤングの賞を獲って、3年後に本戦で獲りたいと考えていました。
オザワくんに並ぶというのは、そういうことかなと。
自分なりに必死に3年後いちばん面白い部門を考えたときに出た結論がPR部門でした。
PRは今圧倒的に追い風を受けています。時代の要請という、とても強い追い風です。
いつのまにか、誰もがソーシャルアカウントを所持するようになった結果、
(ITリテラシーゼロの両親までアカウントを持っているという驚き…)
コンテンツデリバリーコストが一気にゼロになり、LIKE!という民意を得たコンテンツは一気に世界中へ拡散してしまうすごい時代です!
こうなるとユーザーの民意を味方につけない手はありません。
実際、あらゆる部門の受賞作品が、ある意味PR的になっています。
2012年以前は、カンヌで初めてみる作品が多くありました。
2012年以降は、カンヌで初めてみる作品はほとんどありませんでした。
(事前にfacebookのフィード上で見たものばかりでした!)
ユーザーに、LIKE IT!と共感させるノウハウは、従来的な広告よりもPRに一日の長があります。なぜならPRはそもそも同様のことを、昔からメディアに対してやってきたわけですから。
仕掛けによってメディアにこちらが意図した内容をうまく言わせるというネット的、ハッカー的発想が今こそ、発揮されるはずです。
今、メディアだけでなく、ユーザーという新しいプレイヤーが出てきて時代が追いついてきた。
かつてPR部門でグランプリを受賞した「BEST JOB IN THE WORLD」(2009年/クイーンズランド州観光公社/PR部門、サイバー部門、ダイレクト部門グランプリ)なんかは今ならもっとすごい爆発になっていたのではないでしょうか。
また大きな特徴として、最少限の予算でも充分に機能する作品が多く見られます。
極端な例でいえば、1つ斬新なバターナイフをつくっただけという事例も存在できます。
すごく簡単にまとめると、
PR部門は追い風なのに、まだそこまでメインストリームではない部門。
自分が出た部門だからというわけではなく、
むしろ天才オザワくんにいつの日か肩を並べるために
必死に考えて選んだ部門なので、
今年エントリーを考えている方にも胸を張って、
この部門、面白いよ!と言える気がします。
PR部門のエントリー、そろそろ始まりますね。
次回は、意外とウェブ上でも情報が出てこないカンヌ本戦の模様を中心にお送りいたします。
梅田哲矢(うめだ・てつや)
2010年アサツー ディ・ケイ入社。2015年よりTBWA\HAKUHODO Disruption Labクリエイティブチームに所属。
受賞歴:2014Young Lions PR Gold、2014 Asia Spikes PR Bronze、2013 Yahoo Creative Award Gold、ACC Finalistなど。