モバイル広告収入、OS別ではアップルiOSが優勢
2020年には、モバイル端末の契約者数が世界人口の半数に及ぶ※。米IDC調査では、2014年のスマートフォン出荷台数は13億台で、グーグルとアップルで96.3%を占めるという。世界のスマホ市場を席巻する両社だが、モバイル広告でも両社のOSがしのぎを削っている。(※英GSMAインテリジェンス調べ)
世界のモバイル広告の6割は、Androidユーザー向けに表示されている。米オペラ・メディアワークス(OMW)の調査ではAndroid端末の広告露出回数(インプレッション数)シェアが、2014年末時点で62.7%に躍進。前年は37.7%だった。スマホだけでも出荷台数シェアが8割を超えるAndroidからすれば、当然かもしれない。
しかし、広告収入ではアップルのiOS端末ユーザー向けのほうが収益率がいい。露出回数シェアではiOS端末は27.2%だが、OMWの調べでは、14年10~12月のモバイル広告収入シェアはiOSが51.7%、Androidが41.2%だった。
Androidのシェア41.2%の内、39.7%はスマホからの収入だ。一方、iOSのシェア51.7%の内、iPhoneは38.1%で、iPadが12.5%を上乗せしている。iPadの広告露出数シェアは5%ほどで、収益率のいいメディアとも言える。Androidタブレットの各シェアは、露出量1.8%、広告収入1.5%で、勝負に貢献できていない。
露出量の多い割に広告収入が伸びない、広告単価の低下はグーグルの悩みの種で、14年第1四半期から、前年同期比で2~3%ずつ減り、クリック数の伸びも鈍化している。Androidは成長市場への出荷が多い一方で、iPhoneやiPadユーザーは米国や日本のほか、中国の富裕層などに多いのも、広告単価の差につながっているようだ。