市場創造のMARKET+ingと顧客獲得のTARGET+ing
しかしだ。健康に良いモノでも、おいしくておもしろくなくては、いいモノとして消費されない。市場として創造すべきは、健康に良くていいモノの受け皿である。
もし、健康に良いモノだけで完全パッケージ化して、市場に売りに出したとしても、そこは、健康を気遣う人を対象に、有効性・安全性・簡便性・経済性といった情報で勝負を挑むようなレッドオーシャンな市場だ。健康の《情報》の量で上回ろうなんて考えた瞬間、めまいに襲われ、立ちくらむだろう。そこで、文化度が高くて、倫理観があって、道徳心を備えた「日本昔ばなし」にあるような地方の《物語》の質をもって勝負に挑もう。健康の《情報》+ 地方の《物語》の受け皿となる市場を創造するのである。
MARKET+ingすべきは、ローカル色豊かな健康市場の創造であり、TARGET+ingすべきは、健康づくりを物語に置き換えたい人たちである。
日本の地方の健康産業は、安全と安心の素材づくりにはじまり、匠の精神で臨む製材づくり、おもてなしの心を備えた商材づくり、知恵に溢れた情報づくり、郷愁誘う物語づくりを経て、日本人の、さらに世界の人々の健康づくりに寄与する。どこかの過程に必ず、自社ないし自分の役割を見つけられるはずだ。ヘルスケアビジネスは、大都会でも地方でも平等に機会を与えられている。
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西根 英一氏
マッキャンヘルスケア ワールドワイドジャパン CKO(最高知識責任者)
健康・医療・美容のマーケティング戦略とコミュニケーション設計を専門とする。マッキャンヘルスコミュニケーションズCKO(最高知識責任者)、千葉商科大学サービス創造学部非常勤講師(「健康サービス論」「調査法」ほか)。日本広告学会、日本臨床腫瘍学会の正会員、日本メディカルライター協会、日本医学ジャーナリスト協会の協会員。厚生労働省「すこやか生活習慣国民運動」(健康日本21)の推進室室長等を歴任。3月に、宣伝会議から『生活者ニーズから発想する 健康・美容ビジネス「マーケティングの基本」』が刊行。
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