これにテレビメタの中身をあてはめていくと、実際にテレビでどう取り上げられたかが見えてきます。最初は配給側が仕掛けた露出だったのが、スポーツ選手やタレントがとくに「Let It Go」に反応して唄ったりしたことがニュースになり、今度は一般人が唄った動画をあげたりコスプレ姿になって取材されたことがわかります。
通常のテレビ露出が「ヒット」をもたらし、セレブが反応して「流行」となり、一般人が呼応したので「現象」となった。そう梅田所長は分析します。思い出すと確かに、徐々にいろんな人が参加していき『アナ雪現象』が巻き起こっていましたね。
このTVランクとバズ・ランクを2軸に置くことで、いろんなことが頭の中で整理できます。「テレビCMだけでは効かなくなった」とか、「ネットでバズを起こしても大きな動きにならない」などと言われていることが“見える化”されるのです。あるいは「突っ込まれる広告じゃなきゃダメだ」と言われているのもこの図を見ると感覚的に理解できるのではないでしょうか。一方で、やはりテレビでの露出はヒットの必要条件だとあらためて認識できます。
このとらえ方は様々な場に活用できそうです。例えばお茶のブランドに当てはめてみると、こんな図ができます。「ヘルシア」や「からだすこやか茶」はトクホを売りにしている分、TVランクは高くてもバズ・ランクはあまり高くありません。身体にいいという情報を消化しておしまい、ということでしょうか。一方、「伊右衛門」はTVランクも高い上にバズ・ランクもかなり高い。これはCMの豊かな世界観をもとに、伊右衛門サロンなど人びとが参加できる取り組みが功を奏しているようです。
この図の円の大きさは売上を表しているそうで、グラフの右上方向に行くほど円が大きくなる傾向も読み取れます。TVランクとバズ・ランクを読み解くことで、その商品の現状が認識でき、今後もっとTVの露出を増やすべきか、ネットやイベントなどで人びととの関係を強めるべきかが見えてくるのだと言えます。
この分析手法は、すでにいくつかのナショナルクライアントでブランド診断や効果検証に活用されていますが、Life Log Labとしては、これをダッシュボード形式でより多くの企業に提供できるよう開発を進めています。この分析が誰でもできるようになると便利そうですね。
こうした分析については、Life Log Labとしてセミナーなどに参加して梅田所長がみなさんに披露していくようです。興味ある方は気に留めておいてください。
さてエム・データ社は「メタラボ」という公式ブログサイトを運営しています。テレビメタの活用事例や最新情報を日々配信中。私も毎週書いていますので、こちらもぜひご覧ください。
→エム・データ公式ブログ「メタラボ」
あれ?今回、関係者としての宣伝みたいになっちゃいました。まあ、でも、知っておいて損ではなかったんじゃないでしょうか。と、いうことでご容赦ください。