ますます拡大するオンライン動画市場、継続的に制作していくための“量産”テクニックとは!?

テクニック1 動画のテンプレート化

量産をはじめる際に役に立つのが「動画のテンプレート化」です。同企画の動画を量産する場合、基本的には同じトーン&マナーで制作していくことになりますが、毎度1からデザインや構成を決めてつくっていくと、時間もコストもかかってしまいますので、事前にデザインと構成の雛形を用意して進めていくと非常にスムーズです。

例えば、「A(オープニング)-B(タイトル)-C(商品概要)-D(使い方説明1)-E(使い方説明2)-F(エンディング)」という構成でできている実写の「商品HowTo動画」のテンプレートがあるとします。常に、この6つのチャプターで、動画ごとに変える部分とそうでない部分、また変えるボリュームと方法を決めて、各動画を制作していきます。この場合、AとFは共通なので編集時にほぼ手を加える必要がありません。商品ごとに編集が必要になるのは、B-C-D-Eの4つです。Bは商品名のテロップだけ修正、Cは商品の静止画像とテキストの変更、DとEは決められたデザインとテロップモーションに撮影した素材を当て込み、文字情報を変更するだけで良いので通常の制作作業よりはるかに簡単につくることができます。あくまでこれは一例ですが、このようなテンプレートを事前に決めてから進めていくと、スムーズに量産することが可能です。

企画の大体の方向性を決めたら、まず初めにABテストを行い、その後の運用でクリエイティブを最適化していくことでスムーズに効果的な動画を量産することができる。

テクニック2 内製化で動画をつくる場合

動画は自社内でつくりたい、と考えている企業担当者の方も動画需要の伸びとともに増えてきたように感じます。海外では、動画でのマーケティングに注力し、自社に動画制作チームや撮影スタジオを抱えている企業もあります。動画をつくる上では、様々な技術が必要になります。主要なものだと、企画・ディレクション・撮影・編集・グラフィックやアニメーション制作があげられますが、すべてのスキルを持っている技術者を探す・育てるのはなかなか大変な作業です。したがって、どんな表現の動画を社内でつくるかを決めて、それにどんな技術とスタッフ人数が必要なのかを調べた後、制作体制をつくると後々トラブルになりにくいと思います。最近は機材も高機能化してきたので、以前と比べ手軽に購入することができますから、実写が伴う動画を検討している場合はカメラと三脚は最低でも購入しておきたいところです。

また、先述のテンプレートの部分は制作会社につくってもらい、自社で対応できる部分は社内スタッフが対応する、という方法もあります。先ほどの例で言えば、全体に関わるデザインや基本のモーションなどのテンプレート部分と編集作業は外注し、D-Eの撮影部分だけ社内で撮るなど、業務を切り分けて行うことで、低コストでスムーズにいくことも多くあります。場合によっては割り切って、内製でつくる動画と、そうでない動画をあらかじめ分けて進めてもいいかもしれません。質を上げたいものは外注、簡単なもので量産するものは内製、と切り分けて進めている企業もあります。

いろんな動画を見てみよう

動画を進めるにあたって、うまくいっている国内外の企業の動画や、類似企業の取り組みを見てみると参考になりますので、これから導入を検討している方は一度調べてみてはいかがでしょうか。数多くの動画に触れてみると、発見があったり、なんとなく企画の勘所が掴めたりするので、おすすめです。

量産にあたっては、細かいテクニックや注意点はたくさんありますが、やはり忘れてはいけないのは、ユーザーに価値のある動画を継続的に発信し続けることが大切だということです。検証データを見ながら改善していくことで、価値あるコンテンツを生むことは必ずできると感じます。動画は、複雑なようで制作の考え方はシンプルな面も多いですし、きちんと準備をして制作を進めていけば難しくありませんので、是非取り組んでみてください。


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山下 悟郎(やました・ごろう)
モバーシャル取締役 CMO

映像プロダクション、モバーシャル取締役CMO。デジタル領域の映像制作を得意とする同社において、WEB動画黎明期より、映像プロモーション企画・コンテンツ設計を担当。2014年、メンバーズと動画の企画、設計、運用、効果検証など、オンラインビデオの領域に特化した動画マーケティング支援会社、MOVAAA(ムーヴァー)を設立。同社取締役兼任。

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