北海道の自然が生んだ商品を、長く愛されるブランドへと育てる―①洋菓子きのとや

北海道の自然が生んだ商品を長く愛されるブランドへと育てる

地域に根差す企業とクリエイターがパートナーとなり、新しい価値を生み出した事例を、手掛けたクリエイターが自ら解説。第1回の名古屋に続き、今回は北海道です。

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商品力とデザイン力その両立が地域の人々の誇りに

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札幌の洋菓子ブランド「きのとや」は、2013年に30周年を迎えた、とても若い企業です。デコレーションケーキを主力商品に、地元に愛されて成長してきました。

そんなきのとやが30周年を迎えるにあたり、ロゴからパッケージ、店舗サイン、制服、細かなツールに至るまで、全てを一新。これを僕が一手にお引き受けしました。  

次の30年に向けて、あらゆるデザインを一人のデザイナーの手によって刷新することで、ブランド全体の統一感を出したい―そんなオリエンをいただき、私はまず、ロゴマークに全てを集約することで、一貫したコミュニケーションを行っていくことを考えました。

きのとやの「きのと」とは、甲・乙・丙の乙、つまり数字で言う2にあたります。それは常に甲(1)を目指す努力を表し、現状に満足しない探求の心・チャレンジ精神を持ち続けるという意味があります。

きのとやの探求の心・チャレンジ精神とは「おいしいお菓子をつくり、提供し続けること」。これは経営理念にも合致します。新たなロゴマークは、まさに「おいしいお菓子をつくり続ける」というコンセプトのもとに制作されました。

きのとやの頭文字であるK。中心をつながないことで、「現状に満足せず、おいしいお菓子をつくり続ける」という意志を表現しています。生地やクリームのフォルムを抽出し、美しさと力強さが同居するようなデザインに仕上げました。お客様がこのK を見ただけで、きのとやをイメージする、そんなマークに育てていきたいと考え、包材や店舗サイン等に至るまで、このマークを軸にして一貫したコミュニケーションを行っています。

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