2015年に日本国内のユーザー数が2600万人に達する見込みとなっているTwitter(eMarketer調べ)。特に日本は若年層を中心にアクティブユーザーが多いとされており、その裾野は年々広がっている。一方で、企業や個人に対する批判や苦情が投稿され、数時間から数日という短いスパンで、多くの人に拡散されてしまうという例が相次いで発生している。企業の評判をマネジメントする広報担当にとって、新たな危機管理が必要とされる時代が来たといえる。
ネット告発、若年層を中心に伝播
広報会議編集部が2015年2月、Twitterユーザー500人を対象に実施した調査では、全体の38.8%に当たる194人が「企業に対するネガティブな投稿を見たことがある」と回答。年代別では、15歳~29歳の回答者の約半数が「見たことがある」と回答しており、ネガティブな投稿は特に若年層の間で広がりやすいという傾向が見られた。
「これまでに企業や商品について、Twitter上でネガティブな投稿をしたことがある」と回答したのは、全体の11.6%。年齢別に見ると、「ネガティブな投稿を目にしたことがある」人と同様に、20代~30代に多く、年齢が高くなるにつれて減少傾向にあった。
Twitterが仲間内のコミュニケーションツールとして浸透している若年層にとって、Twitter上にネガティブな情報を投稿することは、単純に「身近な友人に愚痴を言う」感覚に近いのかもしれない。
投稿内容に“年齢差”?
実際に投稿した内容についても聞いてみたところ、これも年齢別の傾向が顕著に現れた。20代~30代前半の投稿は、「料理がまずかった」「店員の態度が悪かった」「○○の商品がひどい」「配送業者のサービスが悪い」といった日常の愚痴に近い投稿が多かった。
一方、40代以上の投稿には、「携帯会社の料金が高いと思って調べたら、不要なSDカードの料金を上乗せされていた」「ファミリーレストランで出された料理がひどく、その企業のシステムや質に問題を感じた」など、具体性のある投稿が目立つ。投稿した理由も「同じ企業人として、素直に改善のための指摘」「企業に対して警告したかった」など、“企業に改善してほしい”“社会に自分の正当性を理解してほしい”という、告発めいたものが目立った。
3割の企業が「炎上対策マニュアルあり」
増加するネット上のネガティブ投稿に対応しようと、企業も動き出しつつある。
広報会議が2014年11月~12月にかけて、企業110社の広報部にアンケート調査を実施したところ、「実際に炎上を経験したことがある」という企業は12.7%に留まるものの、51.8%が「自社に関するネット上の声を監視している」、29.1%が「炎上に備えた対応マニュアルがある」と回答した。
広報会議の取材では、「これまでは広報部門でSNS上の声を有人監視していたが、先の異物混入問題を機に、自社でも外部のモニタリングサービスを導入した」(小売)といった声も。2014年末~2015年初旬に相次いで発生した、マクドナルドなどの異物混入問題を受け、対策強化に乗り出す企業も出てきており、2015年はSNS対応のコンサルティングやモニタリングサービスの需要が増えるなど、関連ビジネスにも動きがありそうだ。
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