電通は3月3日、ベトナムの総合インターネット広告会社エメラルドの株式40%を取得すると発表した。今後、海外本社の電通イージス・ネットワークを通じて段階的に保有率を上げ、エメラルドの経営をコントロール下に置く。
2009年設立で、本社はホーチミン市。ネット広告やWebサイトの企画制作、ソーシャルメディア施策、企業のオンライン上の評判管理を手がける。2013年にはキャンペーン・アジア・パシフィック誌が選ぶベトナムのデジタル・エージェンシー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。
ベトナムの広告市場は2014年、14億6200万ドル(約1532億9000万円)規模となる見込み。構成比ではテレビが89.6%を占める。エメラルドが主力とするデジタルの広告費は7100万ドル(約74億4400万円)。構成比では4.8%で、すでに新聞の3.3%よりも高い。いずれも電通グループのカラ調べ。
株式取得に伴い、エメラルドは社名を「エメラルド・リンクト・バイ・アイソバー」に変更する。ベトナムでは、広告クリエイティブを主とする電通ベトナムや電通アルファ、メディア扱いの電通メディア・ベトナム、カラなどに次ぐ、グループ10番目の拠点となる。
外資系企業の出資比率制限から、完全子会社には至らないという。現地で2015年7月1日から施行される改正投資法、改正企業法では一般に、株式会社は普通決議が51%以上、特別決議が65%以上となる見通し。
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