世界の面白プロモーションに見る 人を動かすアイデア7選 Vol.02

セルフィー×ゲームで若者の心を掴む

カールスバーグ「Interactive Beer Tap」(デンマーク)

ターゲットはデジタル世代の若者 いわゆる「ミレニアル世代」をターゲットにした同キャンペーン。スマートフォンを持っているのは当たり前、FacebookやInstagramといったSNSを日常的に使い、友人たちと撮ったセルフィーをアップする…。彼らの志向や行動特性をよく理解して企画された施策と言える。

ターゲットはデジタル世代の若者
いわゆる「ミレニアル世代」をターゲットにした同キャンペーン。スマートフォンを持っているのは当たり前、FacebookやInstagramといったSNSを日常的に使い、友人たちと撮ったセルフィーをアップする…。彼らの志向や行動特性をよく理解して企画された施策と言える。

ビアサーバーにデジタルテクノロジーを掛け合わせると、何が起こる?ビールメーカーのカールスバーグと、コペンハーゲンのデジタルクリエイティブエージェンシー・Konstellation は2月、「スマートフォン」、「セルフィー(自撮り写真)」、「ゲーム」といった、デジタル世代の若者の心を掴む要素をふんだんに盛り込んだプロモーション施策を展開しました。

舞台は、デンマークのとあるバー。ビールを注文して、スマートフォンでセルフィーを撮り、ハッシュタグ「#BarBandits」をつけてInstagramに投稿すると、「ビール1杯無料サービス」をかけたゲームに参加することができました。

ビアサーバーが店内にあるスクリーンとWi-Fiで連動していて、店員が注文を受けてグラスにビールを注ぐと、スクリーン上でスロットマシンがスタート。自分の写真が見事3枚揃うと、ビールをもらえるという仕掛けでした。

イベントの話題化がバーの集客につながり、ビールの売上にも寄与した今回のプロモーションは、BtoBtoCの仕掛け。消費者を巻き込む魅力的なアイデアは、BtoB営業にも寄与します。

ダンスを完コピすればCDアルバムが無料に!?

ユニバーサルミュージック「Move like Lorde」(アルゼンチン)

アーティストの特徴を印象付けることにも成功 国内12店舗のレコード店などに設置されたスペシャルブースで、ダンスチャレンジに参加できた。担当エージェンシーのBBDO Argentinaによると、挑戦者5万2000人のうち、1万3000人がディスカウントに成功したという。

アーティストの特徴を印象付けることにも成功
国内12店舗のレコード店などに設置されたスペシャルブースで、ダンスチャレンジに参加できた。担当エージェンシーのBBDO Argentinaによると、挑戦者5万2000人のうち、1万3000人がディスカウントに成功したという。

ニュージーランド出身のシンガーソングライター・ロードが、ニューアルバム『ピュア・ヒロイン』をアルゼンチンで発売するにあたり、ユニバーサルミュージックは、彼女のユニークなダンスに着目したプロモーションを展開しました。

今回使われたのは、ジェスチャーや音声認識によって操作ができるKinectに搭載された、人の動作を読み取る「モーションキャプチャ機能」。それを用いて、まずロード本人のダンスの動きを分析。続いて、挑戦者にロードの映像を見ながらダンスを真似してもらい、その動きも同様に分析します。最後に、両者の動きを重ね合わせ、「挑戦者のダンスがロード本人のダンスとどの程度似ていたか」、その一致率を測定。その値をそのまま割引率として適用し、アルバムを販売しました。例えば一致率35%なら、35%オフでアルバムを購入できるというわけです。

Web動画での参加も可能で、多くの人々がこぞってロードのダンスを真似した“踊ってみた”動画をアップし、ダンス割でアルバムを購入。結果、アルバムは同国のヒットチャートでトップにランクインしました。

高級車ブランドの、驚きの低価格プロモーション

BMW Dalcar「BMW Transformation」(ブラジル)

あっという間に愛車がBMWに変身 クルマの窓から手を入れて、ハンドル部分のロゴマークにステッカーを被せてしまうという大胆な施策。こうした遊び心も含めて、BMWというブランドの魅力として伝える、という狙いがあるのかもしれない。

あっという間に愛車がBMWに変身
クルマの窓から手を入れて、ハンドル部分のロゴマークにステッカーを被せてしまうという大胆な施策。こうした遊び心も含めて、BMWというブランドの魅力として伝える、という狙いがあるのかもしれない。

ブラジルのBMWディーラー、BMW Dalcarが「BMW 116i」のプロモーションを目的に実施したキャンペーン「BMW Transformation」は、昼時に高級レストランの駐車場に停められた他社メーカーの自動車をターゲットにしたイタズラ企画。

オーナーが昼食に行っている間に、ハンドルのロゴの上にBMWのステッカーを勝手に貼り付けてしまうというものでした。昼食から戻ってきたオーナーはびっくり。愛車がまるでBMWに変わったかのように見えるというわけです。

ステッカーを剥がすと、裏側には“You can already feel in a BMW.(BMWに乗った気分になったでしょ?)”というメッセージが。合わせて「BMW 116i」の写真とスペックが記載されており、高所得層に向けて試乗を促すことを狙いました。

企画制作はブラジルのエージェンシーのPhocus propaganda。かかったコストはステッカー代のみと極めて低価格ですが、高級車としてのブランドイメージを傷つけることなく、試乗者数も通常月の平均から34%増と、大きな成果につながりました。

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