デジタル時代のマーケティングで変わったこと、変わらない本質——ドン・シュルツ教授も登壇のパネルディスカッション

2018年には324億ドル規模に
急成長するソフトウェア市場

世界のソフトウェア市場の中でもマーケティング関連ソリューションの市場は、2014年の202億ドルから、2018年には324億ドル規模にまで成長が予測されている(IDC調べ)。マルケトの福田康隆社長はマーケティングオートメーションが注目されていることの背景を解説した。「現在、日本でも浸透しているクラウドは、90年代の終わりに米国で打ち出されたが、当時のインターネット環境では実用的なレベルには到達していなかった。もし、ブロードバンド化が実現していなければ、これほど広く浸透していないはず。テクノロジーが進化することで、構想やビジョンとして掲げられていた理想が現実化し、多くの企業がそのメリットを享受できるフェーズを迎えるというサイクルは、これまでも様々なテクノロジーで繰り返されてきたことだ。マーケティングオートメーションも技術的な環境が整い、本当のワン・トゥ・ワンマーケティングが誰にでも実現できる時代を迎えた」と説明した。

最後に、シュルツ教授から「フィル・フェルナンデスCEOと様々なディスカッションを通じて改めて確信したことがある。それは、私が25年前にIMCで提唱したお客様と企業組織をつなぐマーケティングがマーケティングオートメーションによって実現できる時代を迎えていることだ。フェルナンデス氏と私は同じマーケティング活動の理想の実現を追い求めてきた。この場を借りて私の夢を実現してくれたことに感謝申しあげたい」と話した。

「フェルナンデスCEOが描く構想は、私が25年前から夢見てきた理想の姿だ」とドン・シュルツ教授。

シュルツ教授が描いてきたIMCというマーケティングの理想像、そしてフィル・フェルナンデスCEOがテクノロジーによって実現してきたデジタルマーケティング、両氏が追い求めてきたマーケティングは表裏一体であったことが非常に印象的なパネルディスカッションとなった。その両面をリードする識者の提言から、今回のディスカッションのテーマ「デジタル時代のマーケティングで変わったこと、変わらない本質」の答えに向けた道筋も導き出せそうだ。

CMOセッションに学生を招待
人の育成を通じて日本市場にコミット

また、今回のパネルディスカッションには、企業のCMOだけでなく、東京都内の大学でマーケティングを学ぶ大学生が招待された。マルケトの福田社長が「日本市場にしっかりとコミットし、長期的な視点でマーケティングの進化・発展に貢献していきたい」との考えを持ち、具体的に「将来のデジタルマーケターの育成」「NPOや地域社会への貢献」「コミュニティの活性化認定コンサルタントユーザー会の運営」の3点に企業として取り組んでいく方針を掲げているためだ。
真にテクノロジーの力を活用し、日本企業がマーケティング活動で成果を上げていくためには、マーケターの育成も重要との考えから、長期的な視点に立ち、今後企業のマーケティングを担う学生に対しても、自社として提供出来る学びの場を提供したいとの考えの下、企業のCMOと同じテーブルでパネルディスカションを聴講できる席が用意された。午後2時からの本セッションにも、20名超の学生が参加した。

参加した学生は皆、真剣なまなざしでパネルディスカッションに聞き入っていた。

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