“Happy”で有名なファレルの帽子の話題に乗ったリアルタイムPRが功を奏す。
Arby’s は、1964年に米国オハイオ州で誕生した、ローストビーフサンドイッチで有名なファストフードチェーンです。同社とファレル・ウィリアムス、グラミー賞とは昨年のグラミー賞のその日まで、何の関係もありませんでした。
ところが、Arby’sのソーシャルメディアチームが、グラミー賞の授賞式に登場した歌手、ファレル・ウィリアムスの帽子についていたマークが、同社のロゴにそっくりであるという情報を見逃さなかったことからこの運命の大転換が始まります。
そして、ファレルに向けて「帽子を返してくれない? 」とツイートしたのです。瞬間的に米国中のグラミーハッシュタグでの会話が生まれ、すべての人が注目し大騒ぎになったと言われています。その時、ファレルがかぶっていた帽子は右の写真。Arby’sのロゴは左の写真です。
2014年1月26日に開催されたグラミー賞授賞式にて、Pharrellがかぶっていた帽子がArby’sのロゴとそっくりだと話題に。(右)Getty Image
結城:もともとグラミー賞を生番組で見ていた視聴者が「ファレルの帽子見た?Arby’sのロゴの帽子に似てるよね」とTwitterでつぶやいたことが発端で、瞬くまにアメリカ中のファレルファンやArby’sの顧客が騒ぎだし、一気に話題沸騰となったわけですが、ジョシュさんはその騒ぎをどうやって知ったのですか?
Martin:通常グラミー賞は日曜日に行われるので、その日は家で家族とテレビをみていました。オーディエンスがファレルの受賞と共に、「ねえ、ファレルの帽子ってArby’sのロゴに似てない?」とツイートをしてから、あっという間にTwitter上で人々の会話がブーストしていくのが見えました。
結城:それを見逃さずに観察していた、というわけですね?
Martin:僕は土日でもTwitterをチェックしているので、この尋常ではない騒ぎに対して今だ!と思ったのです。
結城:その最初のツイートが先に紹介した「やぁ、ファレル!うちの帽子を返してくれない? 」だったのですけど、それがArby’sのブランド名が一気にソーシャルメディア上に登場した瞬間でしたよね? その帽子をかぶったファレルへのコメントは増幅していき、ついにあなたのツイートしたメッセージがファレル自身にも伝わって返信ツイートが来た時はどんな気持ちでしたか?
Martin:ファレルから返事があるまで、変に騒ぐことや続けてツイートすることは避けようと思っていました。彼からの返信が来て、再びArby’sとのやり取りがTwitter上で注目を浴びることになり、その結果、他のブランドから突っ込みが入ったり、応援や称賛のツイートが続いたり、という異例の盛り上がりをみせることになったのです。