4社が語る「アプリ」のプロモーション——iQON、コーデスナップ、フリル、メルカリ

ユーザーのニーズに応えて各種アプリが登場

—運営するアプリの概要やターゲットを教えてください

土屋:Fablicが運営する「Fril(フリル)」は、女性層に特化してCtoCが行えるフリマアプリです。ダウンロード数は約300万件、メインユーザーは10代後半から20代の女性です。ファッションを中心に、ハイブランドからプチプライスブランドまで幅広く取り扱われています。また、自分の好きなブランドを出品する人をフォローするなどSNS的な要素があるのも特徴。出品者から成約金額の10%を手数料としていただくほか、昨年8月にはBtoCも開始しました。

榎阪:「メルカリ」は、オールジャンル、オールセグメントを売りにしたフリマアプリです。メインユーザーは10~20代女性ですが、男女年代問わず幅広い層がターゲットで、ファッションアイテムからスポーツ用品、家具、家電、ハンドメイド品まで、多様な商品が取り扱われています。今年2月時点で1000万ダウンロードを達成。成約時にのみ10%の手数料を出品者の方々よりいただいています。昨年4月にはサンフランシスコにオフィスを設立し、同9月からアメリカでもサービスを開始しています。

柿本:VASILYの「iQON(アイコン)」は、提携するさまざまなECサイトのファッションアイテムを、ユーザーが自由に組み合わせてコーデを作成できるアプリです。ユーザーはiQONに投稿されている150万件以上のコーディネートを無料で閲覧でき、そこに使われている商品を購入したり、お気に入り登録して楽しむことができます。メインユーザーは18歳~34歳女性で、会員数は200万人を突破しました。収益の柱は、ECサイトとのセールスアライアンス連携、ファッションマガジン「iQONmagazine」、ネイティブ広告「iQON AD」の3つです。

みつき:GMOメディアの「CoordiSnap(コーデスナップ)」は、コーディネートの投稿や閲覧、コメント機能を通じてコミュニケーションを取ることができるファッション共有SNSです。ウェブサイトとスマートフォン向けアプリがあり、アプリのダウンロード数は170万件。18歳~24歳女性がメインターゲットです。主な収益源はウェブサイト上の広告ですが、現在ウェブサイトのユーザーをアプリに誘導しているため、今年からアプリでもネイティブアドを配信する予定です。

—アプリというと、リリースしたもののあまり利用されないケースも多かったなかで、皆さんのアプリがここまで利用者を増やしてきた理由は何だと思われますか。

みつき:GMOインターネットグループでは複数のブログサービスを提供していますが、その中で、携帯で自分のコーデを自撮りして投稿するケースが次第に増えてきました。そこで、それだけを切り出したサービスを作ろう、と4年前に始めたのがコーデスナップです。当社のブログサービスで告知したところ、ユーザーや投稿画像が増加し、1年間で約10万件が投稿されるまでに。当時、雑誌が使い始めた「コーデ」という言葉が一般化したのも追い風になり、ネットでの検索量が増加。検索すれば、1ページ目にコーデスナップが表示されるので、ますますユーザーが増えていったという経緯です。おしゃれな女の子たちのコーデを見たい、というニーズにシンプルに応えてきた結果だと思います。

土屋:フリマアプリの場合、CtoCといえばオークションしかなかった当時、オークションで物を売買するのはハードルが高いと感じる人たちの間で、掲示板やブログに投稿して売り買いすることが流行っていきました。もともとニーズがあったところに、もっと使いやすいサービスとして提供したのがフリルです。従来は、出品するにも写真を撮って、アップロードして、テキストを入力して、と作業が大変でしたが、スマホならカメラ機能を使ってすぐ投稿できる。この手軽さもフリマアプリが広がった理由だと思います。また、人から人へのバイラル効果もあります。フリルも開始当初は、ユーザーだった有名ブロガーさんやモデルさんがブログやツイッターで発信してくれたことで、ユーザーが一気に増えていきました。スマホが普及したタイミングに合致したのも良かったと思います。

—フリマアプリの利用者には、どんな人たちが多いのでしょうか。

土屋:リアルでのフリマを経験したことのないCtoC初心者の方が多い印象です。シーズンごとに洋服を買うけれど、クローゼットが一杯。そんなときに、簡単に売買できるアプリがあるらしいからやってみようと。それで売れたり、「いいね!」が付いたりすると、気に入って使ってもらえるようです。

榎阪:メルカリについても、CtoCのオークションで売買していた人がメルカリに移っているかというと、そうではない気がします。初めてCtoCを経験したのが、メルカリだったり、フリルだったり。新しい市場の開拓につながっていると思います。昨年11月、メルカリでフリマのリアルイベントを開催したところ、500店の募集枠が半日で埋まるほどの人気でした。出店者のほとんどがメルカリユーザーでしたが、話を聞くと、メルカリで初めてフリマを経験して、面白そうなのでリアルイベントにもやって来た、という人も多かったですね。

次ページ 「CLOSE-UP!(2)」へ続く

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