ユーザーと触れ合うイベントには販促施策のヒントがある
—各社ともリアルなイベントも実施していますね。
みつき:日本と台湾でイベントを実施しました。日本では、昨年9月に行われた「もしもしにっぽんFESTIVAL2014」に特設ブースを出展しました。この祭典は来日した外国人に向けて日本のポップカルチャーを紹介するものです。ブースでは来場者のスナップ撮影を行い、撮影した写真をコーデスナップ内の特設サイトにアップするとともに、その場でプリントした写真をプレゼントしました。また、台湾で開催された「Tokyo Crazy Kawaii Taipei」にも出展し、来場者にコーデスナップを紹介。アプリダウンロードのQRコード付きのチラシを500枚配布しましたが、台湾ではQRコードがあまり一般的ではなかったようで、QRコードからのダウンロードはごくわずかでした。
リアルなイベントは準備が大変で苦労しました。しかし、台湾のユーザーと直接話ができたのは大きな収穫でした。
柿本:iQONでは「TGC」や「GirlsAward」に出展しました。QRコード付きのビラを配布してユーザー獲得を目指しましたが、みつきさんのおっしゃるとおり、リアルの場での獲得はなかなか難しいですね。参加して感じたのは、リアルのイベントはブランディングの場だということです。また、ユーザーに直接接することができるので、施策のヒントが多く転がっています。例えば、「iQONというアプリです。検索してダウンロードしてください」と案内しても、App Storeがそもそも分からない。あるいは、App Store は分かるけれども、「iQON」ではなく「iCON」と入力してしまう、とか。こちらが当たり前だと思っていることが、ユーザーにとっては当たり前ではないですからね。そのファインディングスから、リスティングワードに「iCON」を追加したりして、オンラインプロモーションの運用をブラッシュアップしました。
榎阪:それ、わかります。メルカリで実施したリアルなフリマイベントでも、体験ブースを設置してアプリでの出品を訴求しましたが、リアルの場でのコンバージョンはハードルが高いですね。それよりも、ベタな方法ではありますが、筧さんと菅谷さんのパネルを作り、ダンディ坂野さんの黄色いジャケットを着て、一緒に写真を撮れるコーナーを設けたところ、大盛況でした。撮影した写真はフェイスブックやツイッターなどに今ならかなりの確率でアップしてくれるので、高い拡散効果があったと思います。
—ファッションアプリの2社にお伺いしますが、リアル店舗との連携についてはどのように考えていますか。
柿本:iQONでコーデや商品を見た人が、店舗に商品を問い合わせるケースもあります。アイテム商品ページのキャプチャをとって、店舗に行ってそのキャプチャを見せたりしているそうです。オンラインと店舗のかけ橋としてどう貢献していくのかは、今後の課題の1つです。例えば、iQONでブランドに「LIKE」を付けたユーザーが、当該ブランドの店舗近くを通ったらプッシュ通知をする、とか。O2Oは今後伸びしろが期待できるマーケットだけに、いろいろチャレンジしたい領域ですね。
みつき:当社では、コーデスナップを店舗の販促に活用していただける施策を検討中です。現在、一部のブランドさんとのアライアンスを試験的に進めています。ブランドの公式アカウントを設置し、ユーザーの検索動向を分析してデータ提供するサービスを想定しています。また、ファッションを楽しむ人を増やすのがサービスの理念ですので、新品中古を問わず、「これいいな」と思った時に買える手段をユーザーに提供していきたい。その意味でも、メルカリさんやフリルさんとの連携も可能性があると思います。