“ストーリーテリング型”が多い海外のCM
権八:これはぼくらが普段仕事をしていても頻繁に議論になるのですが、海外のCMってはじまってすぐは「何のCMかわからない」と。そういうCMが多いですよね。
大久保:それは最後まで引っ張っていくために?
権八:そうです。「これは一体なんだろう?」と引き込んで、じつはこういうオチが待っていて、こういうクライアントでした、それでパッと終わるみたいな。そういう秒数をうまく使ってストーリーテリングしていくCMが多いですね。日本でも澤本さんやぼくらもみんなこのスタイルにトライするのですが、ザッピング文化だったり、CMが短かったりすることもあって、グーッと引き込んでみたいなことはやりづらいと。
大久保:やはり文化の違いがあって。
権八:だから、日本のCMだと「はじまってすぐ、このスポンサーのCMだ」ということをわからせてほしいとスポンサーの方に言われることが多かったりします。注意深くCMを見ていると、画面の右上や左上のところにスポンサーの名前が入っていたりするので、そんなところにも注意して見ていただくとCMの見方が変わるかもしれませんね。
(編集部注:澤本さんと中村さんが到着。ヤマハのラジオCMが流れる)
ヤマハ ラジオCM「叫び」篇
澤本:今日は遅れてすみません。このCMは20秒でキレがいいね。アイデアとしては、言いたいことを言えないときでもそれを音楽にしてみれば、色々なフラストレーションの解消にもなるし、いいのではないかという。
権八:ヤマハの企業広告でしょうね。「商品なのかな?」と思っていたら、企業・ブランドにおちていましたね。