このラジオCM企画をさらに面白くするには?
中村:ラジオCMのコーナーはいつも1分とか、もうちょっと長いものが多いから、この20秒は個人的には新鮮ですね。たぶん来週つくるであろう「ななせ商店街」のCMも20秒予定ですが、短いCMのコツやポイントというのはありますか?
澤本:コツというか、このCMはアイデア一発だよね。「人の声を音楽に変えてみたらどうか」という、アイデアとしてはそこだけなんよね。前半の「こんな私を振るなんてケンジのバカ」のところのセリフが変わっていけば色々なものが変わっていくよね。ここのセリフをもうちょっといくつか書いてみると。今のセリフは結構、典型的じゃない。だけど、もっとマニアックなセリフにもできるといえばできる。腹が立っている体で言うとか。
中村:セリフを色々変えてみると。
澤本:たとえば、ぼくが後輩から「(このCMの)原稿を考えてきました」と渡されたらどうするか、と考えたら「システムはいいよね」と。“人の想い”というのを“楽器”に変えて言う。それでヤマハの広告にするというのはいいじゃんかと。そこから点数をもっと上げようとしたら「前半のセリフを変えて、いくつか録ってみて、一番良いのを選べばいいんじゃないの」と言うと思います。
権八:そうですね。このCMは非常にわかりやすいですよね。結論もすごく真っ当だし、前振りのネタもわかりやすくて。逆に言うと、コンパクトにきっちり、誰にでも理解できるようにまとまっているとも言えますよね。破綻がないというか。キレがいいというか。
澤本:そうそう、だから教科書みたいなCMですよね。ぼくみたいな教科書から逸脱したほうが面白いと思う身からすると、いっぱい違ったものを書いてみて、その中で具合がいいものを探していったほうがいいかなと思いましたね。
権八:このラジオ番組でも話題になりますけど、今の澤本さんが言ったことは「最後まで間口を広くとっておく」というか、たぶんそういう原稿を書いたんでしょうね。「振られた女の子の叫びをまずはセリフで言って、それを音にします」とプレゼンしたら「いいですね」と通って。「わかりやすい」とヤマハさんにも言っていただいて「じゃあ、つくりましょう!」となるんだろうけど、現場でブースに入ってからもたぶん何十個も録ったほうがいいですよね。
澤本:実験的にね。たとえば、大久保さんが現場にいたら、この原稿を大久保さんに読んでもらうとか(笑)。そしたらまた「違うカップルかな」っていう。
中村:それめちゃくちゃ面白いですね。そこをひと頑張りすると、前にゲストで出ていただいたワトソン・クリックの山崎隆明さんが「ずっとMA室でナレーションを50回も100回も録っていた」という話を思い出しましたけど、そういう頑張り方ができるんですね。
権八:書いただけだとわからないところありますもんね。
澤本:そう、文字と音声は違うからね。
権八:なんて言って、自分らは「ななせ商店街」のCMが・・・。
中村:ハードルが高くなりそうですね(笑)。
権八:なるべく言い過ぎないように気をつけたんだけど(笑)。でも来週は、「ななせ商店街」は例のあの方が来てくださいますからね。大丈夫でしょう!結局は“タレント頼み”みたいな(笑)。
澤本:そうだよね。他人の原稿にケチつけたよね(笑)。もっと、こうしろとかさ。努力が足りないとか言っているわりに、「ななせ商店街」のCMは“タレント頼み”という(笑)。
権八:そうなんです・・・。ここばっかりはすみません。
澤本:ぼくたちはそういうことで生きているのですみません、許してください。さて、来週は乃木坂46の西野七瀬さんをお迎えしてお送りします。来てくれるんだよね?
権八:はい、交渉が見事に成立しました! お楽しみに!