ヴィレヴァンの「ごちゃまぜ」陳列論~店舗は三次元の雑誌のように

レジは、クリエイティブなお仕事

ヴィレヴァンではちょっとしたギフトを探してご来店される方がおかげさまで結構いらっしゃる。非常にありがたいことだ。

ギフトになりそうなものは、なめとんのか系から、まあまあ使える系まで、いろいろ仕入れている。ギフトの需要は高いので、我々の方でもそれを意識したPOPやら、これとこれセットで買ってくれないかな~くらいの淡い期待を持ちながら商品構成を考えたりもする。でも、レジに立っていると、「この組み合わせで持ってくるかあ」と関心させられることも非常に多い。そんなときは「このアイデアいただき」と思いながら袋詰めし、お客様にお渡しする際は、二重の意味で「ありがとうございます」と感謝の意をお伝えした。

レジに入るときは、淡々と業務をこなすようなことはせず、お客様が、どんな感じの方で、どんな組み合わせで商品を持ってきて、なぜこの組み合わせで持ってきたのか理由を推測したり、その人のライフスタイルがどんなものなのかを妄想したりを繰り返す。

レジは商品データだけでは見えない部分も見えるので、非常にクリエイティブで複雑な計算式が頭の中をかけめぐる。

店舗のスタッフに仕入れ・売場作りを任されているヴィレヴァンにとってレジは、お会計を処理するだけの場所ではなく、商品という具体的なものから、それにいたる抽象概念を導き出し、次の仕入れや売場作りにつなげる非常に重要な場所なのだ。

独自の切り口で売場を再構成する。

通常の書店とは一線を画す本棚。

次ページ 「効率やデータだけではお客様の期待に応えられない」へ続く

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関戸康嗣(ヴィレッジヴァンガード 営業企画部リーダー)
関戸康嗣(ヴィレッジヴァンガード 営業企画部リーダー)

ヴィッジヴァンガード営業企画部リーダー。1999年ヴィレッジヴァンガード下北沢店に勢いで「入社したいんですけど」と言ってしまう。清貧の思想で薄給に耐えながらも、下北沢で文化発信の一端を担う。
その後「3カ月以内に売上改善できなければ閉店する予定だから」と言われながら横浜ワールドポーターズ店で店長デビュー。馬車馬のごとく働いて3カ月後には全国最下位の店舗を全国トップへ。ここでだいぶ寿命が縮まる。以後、仕事のブレーキが壊れたまま、下北沢店店長、自由が丘店店長をはじめ、主要首都圏店舗の店長を歴任する。
2006年から首都圏のエリアマネージャー、2011年震災後、東北エリアマネージャー。現在、本部にて、ヴィレッジヴァンガードのノウハウをまとめるプロジェクトのリーダー。最近では、他社の企業内研修やイベントでのPOPライティングセミナーの講師も務める。
ウェブサイト http://www.village-v.co.jp
Twitter https://twitter.com/vgvd
Facebook https://www.facebook.com/VillageVanguardOnline

関戸康嗣(ヴィレッジヴァンガード 営業企画部リーダー)

ヴィッジヴァンガード営業企画部リーダー。1999年ヴィレッジヴァンガード下北沢店に勢いで「入社したいんですけど」と言ってしまう。清貧の思想で薄給に耐えながらも、下北沢で文化発信の一端を担う。
その後「3カ月以内に売上改善できなければ閉店する予定だから」と言われながら横浜ワールドポーターズ店で店長デビュー。馬車馬のごとく働いて3カ月後には全国最下位の店舗を全国トップへ。ここでだいぶ寿命が縮まる。以後、仕事のブレーキが壊れたまま、下北沢店店長、自由が丘店店長をはじめ、主要首都圏店舗の店長を歴任する。
2006年から首都圏のエリアマネージャー、2011年震災後、東北エリアマネージャー。現在、本部にて、ヴィレッジヴァンガードのノウハウをまとめるプロジェクトのリーダー。最近では、他社の企業内研修やイベントでのPOPライティングセミナーの講師も務める。
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