SAPジャパン(旧ハイブリスジャパン)「Round Table Report」3
“個客”起点のマーケティングを実現する
SAPジャパンの中でもグローバルで現在800社に導入される、オムニチャネル・コマース・ソリューション「hybris Commerce Suit(eハイブリス・コマーススイート)」を中核にしたマーケティング支援を行う同社のCECソリューション事業本部の協力のもと、2014年8月より企業のマーケティング担当者が参加するラウンドテーブルを3回にわたり開催してきた。
前2回は、オムニチャネルをテーマに議論を行ってきたが、最終回となる今回はオムニチャネルが注目される背景にある企業課題「顧客エンゲージメントの強化、よりよい顧客体験の提供」について、ダイヤモンドダイニング、大和ハウス工業、パナソニック、卑弥呼、日比谷花壇、らでぃっしゅぼーやのデジタルマーケティング担当者が参加し、議論を行った。
まずは多摩大学大学院・客員教授の山岡隆志氏が「デジタル時代の顧客志向マーケティング」と題する講義を行った後、氏のモデレートにより、SAPジャパン・CECソリューション事業本部の堀裕本部長と電通レイザーフィッシュの得丸英俊社長も加わってディスカッションを行った。
山岡氏からは「顧客のニーズを満たすことを、企業活動の起点にしようとする、従来の企業志向から顧客志向へと変化している。その実現に際してはニーズを満たす、ある特定のものや具体的手段である“ウォンツ”ではなく、何かに満たされていない状態を知覚した時に起こる感情である“ニーズ”に着目したマーケティング戦略が必要」との解説があった。
参加者からは「テクノロジー進化の激しい時代の中で、最先端の手法に目が行きがちだが、改めてマーケティングの基本を振り返ることが、現在の課題解決にとって大きなヒントになった」との声があがっていた。
続いて、参加者同士によるディスカッションの冒頭では、堀氏より今回のテーマである、カスタマーエンゲージメントに関する解説があった。
堀氏は国内外の最新事例を紹介しつつ、「お客さまが過去にどんな嗜好性を持って、どんな行動をしてきたのかを蓄積し、未来を予測した対応までできる顧客解析が非常に重要になる。しかも、その解析に基づく、適切な対応をあらゆる接点で、お客さまが欲するタイミングで提供するにはテクノロジーの力が必要だし、そこで私たちが貢献できることも多いのでは」と話した。
最後に参加者との議論を通じて山岡氏は「情報が溢れ、新しいテクノロジーが出現することにより透明性の高い世の中に進んでいる。このような環境下では、できるだけ幅広い文脈で顧客を捉え、テクニックではなく顧客ニーズを満たす“ほんもの”の提案をすることが企業には、ますます求められてくるだろう」と全3回に渡るラウンドテーブルを総括した。
参加者からは「自分と同じ業務を担う他社の担当者との接点がなかったので、ラウンドテーブルに参加をして、勉強になることが多かった。他社の取り組みを聞くことに、大きな学びがあった」との声があがっていた。
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SAPジャパン株式会社 ハイブリス マーケティング担当宛
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