たった5秒で年賀状完成 CONNECTIT
年賀状に触れてもらう機会を高める
日本郵便が発行した2015年用の年賀ハガキは33億枚。5年前の2010年用は38億9千枚であり、年賀ハガキの利用数は年々減っている状況だ。
そんな中、ある無料サービスを使い、「年賀状づくり」に夢中になった人たちが、年賀状デザインを次々にSNSで投稿する、という現象が起きた。日本郵便のLINE公式アカウントの無料サービス「ぽすくま森の年賀状屋さん」である。
これは、LINE上で日本郵便のキャラクター「ぽすくま」と「友だち」になり、ぽすくまに画像を送ると、おすすめの年賀状を瞬時に自動生成してくれる、というもの。画像に写る人物の数や顔の位置などを認識し、それに合うテンプレートやスタンプと組み合わせ、画像を加工。できあがる年賀状はマンガ風、ポップアート風など1000種類以上にのぼった。
ユーザーからは、ぽすくまが作る絶妙な1枚に、「神がかったセンスに爆笑」「あまりにもナイスなデザインで保存してしまった」「ちゃんと画像認識してつくっている」などと好意的な意見が寄せられ、何度も画像を送ってお気に入りの一枚を探すケースも見られた。
ぽすくまと友だちになった人は600万人。生成された年賀状デザインはLINE経由で印刷注文でき、20万枚のハガキ出荷を実現している。
企画・制作を担ったのは、リアルとデジタルのコミュニケーションを連動させたサービスの提供を専門とする制作会社のCONNECTIT。
飯野法志社長は同サービスの企画に至った背景をこう話す。「年賀状が届かないと、自ら書いて送ろうという気持ちがわき起こりにくいもの。特に若年層は年賀状に触れる機会が減っています。年賀状市場の縮小を食い止めるというマーケティング課題を解決するため、年賀状への接触機会を増やすことに焦点を置き、若年層が頻繁に利用するLINEをメディアとして選択しました」。
本サービスで活用したのは、企業とユーザーが1to1で双方向にコミュニケーションできるLINEビジネスコネクト。ユーザーは、ぽすくまとトークしながら、年賀状を生成していく。「わぁ、いい写真だね」「もし気に入ってくれたら注文できるよ」「動画年賀状もできるんだよ」などと、ぽすくまが話しかけてくるところも人気の要因だった。
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