髙島屋と貝印は3日、合弁会社「フードアンドパートナーズ」を設立することで合意したと発表した。新会社では、「日本の食」を総合的に発信するブランドを開発し、食品・食関連商品の製造・販売事業、および飲食事業を手掛ける。
出資金は9億2000万円で、出資比率は髙島屋66.3%、貝印33.7%。本拠地は東京都中央区に置き、設立は4月下旬を予定している。代表者は、現時点では未定。
昨今、日本の国家成長戦略における重要なファクターとして、農林水産品、伝統工芸品、ファッション、エンターテインメントコンテンツなど日本ブランドの海外展開の動きが加速している。さらに、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことも背景に、いま日本の食材・食品、そして食文化までもが、国内外で注目を集めている。
農林水産省の発表では、日本の農林水産物・食品の輸出額を、2013年の5505億円から、2016年までに7000億円、2020年までに1兆円規模にまで拡大するとの目標が掲げられている。
こうした状況を受け、髙島屋は百貨店として、貝印は刃物・キッチンウェア・製菓用品などのメーカーとして、これまで食に携わる多くの企業・人々と深く連携しながら事業を展開してきたノウハウを生かし、日本の食文化を形成する多様な食材・技術・様式を伝えるとともに、日本の食文化をより身近に感じられる環境づくりに取り組む必要があると考え、新会社の設立に至った。
柱となる2つの事業は、日本の生産者や食の専門家と連携し、日本の美味を訴求する「専門店事業」と、日本の食の魅力を伝える「サービス事業」。専門店事業では、物販・飲食・体験などの機能を兼ね備えたフラッグシップショップを、2016年に都内へ出店する予定。このフラッグシップショップをカテゴリー別にユニット化、ショップインショップとしてまずは髙島屋に出店し、その後順次拡大していく。
サービス事業では、官公庁や企業・団体に向けたイベント運営やレシピ・商品開発への協力、コンサルティングなど、食の領域のさまざまなプレイヤーが日本の食の魅力を伝える活動の支援を行う。
髙島屋の「商品調達力」「生産者や製造者とのネットワーク」「店舗開発・運営力」、貝印の「食に関するマーケティング力」「食の専門家とのネットワーク」など、両社が持つ強みを融合することで、国内における消費市場の活性化のみならず、グローバルに通用する新たな食ビジネスの創出を図る。
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