新聞記者が、本気でネットニュースの記事を書いてみた (第一夜:朝日新聞社「withnews」奥山晶二郎さん)

朝日新聞が本気でネットニュースを書いたらこうなる

——では続いて、奥山さんにもお話をお聞きできればと思います。そもそも「withnews」というサイトは、朝日新聞さんの中ではどのような立ち位置の媒体なのでしょうか?

奥山:まず、新聞の紙面にはない切り口のニュースを出す媒体にしたかった、ということが挙げられます。今まで朝日新聞のウェブメディアは紙面のコンテンツをネットに流すだけだったのですが、編集部でもっとネットで受けるネタを考えて、取材するというスタンスを取ることにしたんです。例えばこのタイトルを読むのもはばかられるような記事は、当時Twitterで散々騒がれていたネタだったのですが、これはそのお祭り状態に乗じて、ノリで記事化したんです。

砂流:確かに、これを大手新聞社のメディアで出しているって、昔だったらありえない(笑)。冷静に考えると、結構ヤバいですよね。

奥山:そうですよね。結局、この記事自体はかなりの数読まれたのですが、今考えてもこれはネットだからできることで、紙面では掲載できないなと思います。

砂流:一方で、僕が奥山さんに話を聞いたなかで既存のネットニュースにはない、これは凄いなと感じたのは、やっぱり新聞社の取材力です。「朝日新聞だからこそ、ネットニュースでできること」という側面がたくさんあって、既存のネットニュースとちゃんと差別化できているんですよ。

奥山:先ほど少し話に出た、過去写真のアーカイブが使えるということは他の媒体に比べ大きなアドバンテージだと思います。加えて朝日新聞の記者は全国各地にいますから、地域のネタも現地記者に取材してもらうこともできます。「withnews」には取材してほしいネタを一般の方からタレこんでいただくリクエスト窓口があるんですが、実際にリクエストをもとに大阪で現地の記者に取材してもらった記事がこれです。

【お答えします】淀川沿いの巨大看板、何を実験し続けているの?

奥山:これまで「新聞社が本気でネットニュースを作ってみた」という事例はあまりなかったので、この「withnews」は一つの挑戦だと思っています。

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砂流 恵介
砂流 恵介

1983年、広島県生まれ。秋葉原でPCショップ販売員の経験を得て、日本エイサーへ入社。宣伝・広報を担当する。2013年12月退社。手段を選ばないゲリラ的なPRを得意とする。

砂流 恵介

1983年、広島県生まれ。秋葉原でPCショップ販売員の経験を得て、日本エイサーへ入社。宣伝・広報を担当する。2013年12月退社。手段を選ばないゲリラ的なPRを得意とする。

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