電通15年3月売上高、東京五輪と「妖怪ウォッチ」で増収に 博報堂DYは?

大広は「テレビ」が前年比20%増、読広は販促で同比25%増

電通と、博報堂大広読売広告社3社それぞれの2015年3月度売上高が出揃った。増税前の駆け込み需要に沸いた前年との比較では振るわないことが予想されたが、電通は前年同月比2.5%増の1826億4100万円と増収となった。大広も、同比1.7%増の133億7300万円だった。一方、博報堂は同比4.4%減の772億3600万円、読広は同比9.5%減の77億4400万円だった。

電通と、博報堂・大広・読売広告社3社合算の2015年3月単月売上高。

電通の増収をけん引したのは、業務別で「その他」に属するスポーツとエンターテインメント。東京オリンピックのスポンサー収入および、「妖怪ウォッチ」などのコンテンツ収入により、前年比72.9%増の251億4600万円と大きく伸びた。「マーケティング/プロモーション」も、同比6.7%増の268億5300万円だった。

4マスメディアはいずれも苦しい。「新聞」は17.1%減の126億8500万円、「雑誌」は12.4%減の39億7800万円、「ラジオ」は12.9%減の12億6900万円、「テレビ」は5.0%減の655億1500万円だった。15年3月期の通期売上高予想(日本基準)は前年比5.3%増の2兆4321億円。

電通の2015年3月単月の業務区分別・売上高構成比。2015年3月の4マスメディア売上高は、14年比だけでなく、13年比で見ても下がった。

博報堂DYホールディングス傘下の3社で唯一増収となった大広は、構成比で3分の1以上を占める「テレビ」が、前年比19.9%増の26億6000万円と伸び、売上高をけん引した。「情報・通信」「金融・保険」で新たな取引先を獲得し、スポットCMが増加した。

読売広告社も、構成比4割超の「マーケティング/プロモーション」が前年比25.3%増となった。不動産関連のセールス・プロモーションで受注が拡大した。

博報堂の4マスメディアは2014年比では下がったものの、一昨年の13年3月からは伸びているため、増税の反動減を除けば上昇基調にある。2015年3月期通期売上高予想は前年比5.0%増の1兆1510億円からやや下振れする見通し。


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