ボツ稿と、何か他のことをやろう、の間

さて、何が言いたいかというと、「なにか他のことをやろう」ということだ。

他の目線を獲得しよう。

キミが、すでに何かのプロフェッショナルであれば。

 

独立してPARTYをはじめて、よかったことのひとつに「経営者と話が合うようになってきた」ことがある。
大企業のいち社員として働くと、経営者の目線なんて、社長か役員になるまで永遠にわからないんです。

たとえば、
いかに節税をするか。
領収書で切れる経費と切れない経費。
経費として切れたところで、経費は経費。
社員はよろこんでいるか。
サボってないか。
会社は他者からどう見られているか。
成長しているか。
世の中に必要とされているか。
社内恋愛をしてないか。(してたら、会社の雰囲気悪くなるので殴りたくなる)
社内結婚をしないか。(したら、会社の雰囲気良くなるので喝采したくなる)
かっこいいか。
そして、面白いものをつくれているか。

こんなことを、つねに同時に考えているのが、経営者の目線だと思う。
もちろん、ぼくなんか、まだまだヒヨッコですが。

 

たとえば、あなたのクライアントはどんなことを考えながら、あなたのプレゼンを聞いているのだろう?

あなたが「カッチョいい広告をつくりたい」「ピュアな想いを伝えたい」「面白いこと考えちゃった」と思っているむこうで、

クライアントの宣伝部担当者は「売り上げを105%でいいからアップしたい。でも失敗はしたくない。」とか「早く帰って子供をたかいたかいしたい」とか「7時から合コンなんだけど」とか思っている。
そのうえで「まあまあ面白い提案来たらいいな」などと思っているかもしれない。

いっぽう、さらにその上にいる経営者は「会社のブランドを上げたい」とか「社員のモチベーション上げたい」とか「まったく新しい商売をはじめてビジネスモデルを獲得できないだろうか」とか「若い社員が合コンばかり行って困る」とか、またひとつちがったレイヤーのことを考えているかもしれないのだ。

この人たちの目線を理解できないかぎり、
この人たちが、真にハッピーになれる提案は、できないんじゃなかろうか。

 

まず、自分に、ひとつのスペシャリティを持とう。
その道のプロになろう。

 
そして、その道を極めるために、あえて他のことをやるのもいいのではないか。

 
新しいことをやると、はじめは、どうせたいがい失敗する。
失敗してもいいと思うんです。メチャクチャ恥ずかしいけど。

死なないくらいに、人に迷惑かける失敗じゃなかったら、他のことをやって、どんどん失敗して、自分をひろげよう。
 
 
「コーヒーショップへよ・う・こ・そ」はボツになって迷惑かけまくったんですが。

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中村 洋基(PARTY クリエイティブディレクター)
中村 洋基(PARTY クリエイティブディレクター)

1979年生まれ。電通に入社後、インタラクティブキャンペーンを手がけるテクニカルディレクターとして活躍後、2011年、4人のメンバーとともにPARTYを設立。最近の代表作に、レディー・ガガの等身大試聴機「GAGADOLL」、トヨタ「TOYOTOWN」トヨタのコンセプトカー「FV2」、ソニーのインタラクティブテレビ番組「MAKE TV」などがある。国内外200以上の広告賞の受賞歴があり、審査員歴も多数。「Webデザインの『プロだから考えること』」(共著) 上梓。

中村 洋基(PARTY クリエイティブディレクター)

1979年生まれ。電通に入社後、インタラクティブキャンペーンを手がけるテクニカルディレクターとして活躍後、2011年、4人のメンバーとともにPARTYを設立。最近の代表作に、レディー・ガガの等身大試聴機「GAGADOLL」、トヨタ「TOYOTOWN」トヨタのコンセプトカー「FV2」、ソニーのインタラクティブテレビ番組「MAKE TV」などがある。国内外200以上の広告賞の受賞歴があり、審査員歴も多数。「Webデザインの『プロだから考えること』」(共著) 上梓。

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