ジェイアイエヌは4月9日、アイウェアブランド「JINS」の2015年春夏キャンペーンの一環で、ブランドの世界観を訴求するスペシャルムービーを公開した。
キャンペーンのキーメッセージは「見つめているすべてが、人生だ。」。ムービーは、一人の少年が年を重ねていく過程を追いながら、彼のメガネに映り込んだ「人生のかけがえのないシーン」の数々を捉えている。JINSの「『見つめる』の一番近くに寄り添うブランドでありたい」との思いが込められた同ムービーは、ブリュッセル、ロサンゼルス、パリ、アムステルダム、ロンドン、プラハに拠点を置く映像プロダクションのCAVIAR(キャビア)と、BASE クリエイティブディレクターの西島知宏氏がタッグを組んで制作したもの。CG・合成を使用せず、メガネの中に映り込む映像を実写で捉えることで、ブランドのメッセージをリアルに具現化した。ムービーは今後、JINSが事業展開する米国・中国でも配信される予定。
またキャンペーンでは、ムービーに加えて、店頭で配布するルックブックも制作。今シーズンのおすすめ商品に加えて、ムービーには登場しない6人の人物へのインタビュー記事を掲載している。切り絵アーティストの福井利佐氏(東京)、発明家のデイビッド・ラング氏(サンフランシスコ)、ソウルシンガーのキャンディス・スプリングス氏(ロサンゼルス)、クリエイティブディレクターのトマス・スコギング氏(ストックホルム)、藍染師の吉川和夫氏(藤沢)——彼らの「見つめかた」に関するエピソードを通じて、「『見つめる』ものがその人の人生をつくる」というブランドからのメッセージを伝えたい考え。
JINSは2014年、「アイウェアを通じて、見るものだけでなく、人々の人生をも拡大し、豊かにしたい」との思いの下、新ブランドビジョン「Magnify Life」を策定。ドイツのブランディングファーム・KMSをパートナーに、リブランディングを行ってきた。具体的には、これまで「20~30代男女」としていたメインターゲットを、「あらゆる世代の男女」へと拡大。また、人気の形状のバリエーション展開に集中し、基本的に随時入れ替えとしていた商品構成を、ニーズの多い「定番商品」をベースに、季節や流行を踏まえた「シーズナル・トレンド商品」を随時投入するスタイルに変更した。商品はライフスタイルや機能ごとに「CASUAL」「FORMAL」「SPORTS」「CLASSIC」「KIDS&JUNIOR」「FUNCTION」「READING」「SUNGLASSES」の8カテゴリーに分類し、店頭でもこの区分に則って陳列。これに伴い、今月末までに既存商品の60%を刷新する。
マーケティング手法やビジュアルマーチャンダイジングも抜本的に見直し、インパクト重視だった従来の訴求方法から、「顧客一人ひとりの人生への共感」を重視する方向に転換。店舗スタッフの教育も強化し、商品知識や視力測定・フレーム調整などのスキル向上を図り、顧客のニーズ・要望に沿った提案に力を入れる。
最高益を更新した2013 年度から一転、2014年8月期は前期にブルーライトをカットするPC・スマートフォン用メガネ「JINSPC」が大きく伸長したものの、既存店売上高が21.4%減少、売上高が1.1%減の361億円、営業利益は52.2%減の29.7億円、純利益は63.6%減の12億円と、減収・減益となったジェイアイエヌ。新しいブランドビジョンは、こうした状況を踏まえて策定した。国内281店、中国48店の計329店(2015年3月末現在)に加え、4月10日には米サンフランシスコに北米1号店を出店した同社は、海外展開のより一層の強化も視野に入れながら、リブランディングを推し進めていく。
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