サントリーホールは4月3日、ブランドコミュニケーションの一環で、Webムービー「The Glassical Concert(グラスで奏でるクラシックコンサート)」をサントリー公式YouTubeチャンネルで公開した。
ムービーで描かれるのは、コンサートが終わった後に行われる、もう一つの“コンサート”の様子。演奏会が終わり、聴衆がホールから出ると、どこからかメロディーが聴こえてくる。ふとドリンクコーナーを見ると、音色の正体はバーテンダーが手にしたグラス。中には音符型にかたどった氷が入っている。それを見た人々が次々とグラスを取り、手元で揺らし始めると、その音が合わさってヴェルディ作曲の 『乾杯の歌』(歌劇『椿姫』より)の大合奏となる。
先ほどまでの音楽体験を反芻するかのように、鑑賞者が自ら音楽を奏で、まわりの人と喜びを分かち合う様を描くことで、演奏が終わった後も鑑賞者の心に余韻として残る、サントリーホールで聴く音楽の美しい響きを表現した。
音符型の氷は、日本独自の製氷融解技術「アイスモールド」で製造。グラスの形状、グラスに浮かべた氷、ドリンクの量でつくった音階を、サントリーホールの大ホールで実際に調律した。
「世界一美しい響き」を目指し、1986年に設立されたサントリーホール。音響的にも視覚的にも、演奏者と聴衆とが一体となって臨場感あふれる音楽体験を共有できるよう設計されている。コンサートを楽しむ文化を日本に根付かせたいとの思いから、開演前や休憩時間に利用できるドリンクコーナーを、日本で初めて導入したことも特徴の一つに挙げられる。
これまでもサントリーホールは、サントリー宣伝部とともに、クリエイティブの力でブレイクスルーを目指す取り組みを行ってきた。日本を代表するクリエイティブディレクター、CMプランナーの小田桐昭氏の代表作としてたびたび紹介されるテレビCM(1998年制作。宣伝会議刊『広告ロックンローラーズ』にも掲載)も、その一つと言える。
今回のムービーは、幅広い世代に、価値ある音楽体験をしてもらいたいとの思いから企画・制作されたもの。「クラシックコンサートは、ともすると『敷居が高い』と思われがち。特に若い世代では、自分との距離を感じる人も少なくありません。サントリーホールで聴く音楽の『響き』を、身近な飲み物を通じて体験し、楽しんでもらう。そうすることで、サントリーホールを身近に感じ、コンサートホールへの関心を高めていただきたいと考えました」と、サントリーホール広報担当は話す。
担当広告会社は、オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンと、ジオメトリー・グローバル・ジャパン。
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