電通は15日、海外のスタートアップ(新興企業)向け投資ファンド「電通ベンチャーズ1号グローバルファンド」を立ち上げた。出資を通じて社外のアイデアを取り入れ、自社の知見と合わせて新たなマーケティングや広告コミュニケーション手法の開発を目指す。投資資金規模は50億円。運用期間は2022年3月まで。1件あたりの投資額に規定はない。
電通社内で経営企画などに携わるスタッフが担当する。人員は専用Webサイトで紹介する予定。ビジネスモデルやプロトタイプなど創業時期にある新興企業でも、独創性が高く、従来手法に変革をもたらすと判断できれば、積極的に出資する方針。ビジネス開発も支援する。
これまで新興企業への出資は、子会社の電通デジタル・ホールディングスが運用する「電通デジタル・ファンド」で行ってきた。投資実績は2010年の設立以来30件に上る。同ファンドの出資先は日本の企業に集まっていたため、「電通ベンチャーズ」では、欧米やアジアなど海外企業に重点を置く。
新興企業への出資は世界全体で進んでいる。英調査会社プレキンの4月1日の発表では、今年1~3月の新興企業への出資額は世界全体で274億ドル(3.3兆円)。前年同期比1.5倍と急伸した。
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