メニュー提案による売場訴求力の向上
本連載では検索データを用いたMD提案や商品開発の事例を紹介してきた。最終回は、流通経済研究所が主催し首都圏スーパーマーケットAチェーンの協力を得て、2014年10~11月にかけて行った店頭実験の一旦を紹介する。
実験では、調味料売場のエンド棚に「ほんだし®」を中心とした棚を作り、比較対照となる週は特別な訴求を行わない棚、実験週は検索データからほんだし®を組み合わせて検索することが多い「湯豆腐」のPOPとレシピカードを設置した。
売り上げも対照週に比べ実験週で向上したが、さらに特徴的だったのは、売り場に立ち寄った人の中で買い上げ(商品を手に取り、かごの中に入れる)に至った人の割合の増加だ。対照週は20.7%だった買上率が5.3ポイント上昇し、26.0%となった。これは、メニュー提案によって、売り場での訴求力も高まった結果と考えられ、改めて売り場における適切なメニュー提案の意義が確認される結果となった。