マーケティングオートメーションのビジネス的価値とは?——マルケト米国イベントレポート

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文・btrax 佐藤三保子

2015年5月中旬、サンフランシスコ市内にて「The Marketing Nation Summit」が開催された。マーケティングオートメーション大手のマルケト社が主催し、キーノートには同社CEOのフィル・フェルナンデス氏、ハフィントンポスト創設者のアリアナ・ハフィントン氏、人気シンガーで社会活動も積極的に行っているジョン・レジェンド氏が登場するということもあって広い会場は満席、来場者の熱気であふれていた。今回はイベントの様子、同社が提供する新サービス、そしてそのサービスをどのようにビジネスに活用できるのかを一人のマーケターとしてお送りしたい。

マーケターはエンゲージメントを重視すべき

マーケティングオートメーションとは、マーケティング業務の一部をプログラミングによって自動化するソリューションである。具体的には、顧客をセグメントし、最適なメッセージを効果が高まるタイミングで発信。さらに、顧客の関心を高め育成し、その反応をもとに顧客を選別、成果を検証・分析までしてくれるサービスだ。

その講演の中で、マルケト社CEOのフェルナンデス氏が強調していたのは、「エンゲージメントマーケティングの重要性」であった。エンゲージメントとは、顧客が特定のコンテンツや商品、サービスに対して好感やロイヤリティーを抱いたり、周囲に働きかけるなどのことを指す。

同氏は、「例えば道路を見渡してみると、交通広告であふれているが、顧客は果たして広告に注目してくれているのだろうか」と話し、今までの広告のあり方を例に出しながら、マス広告の時代は終わった、という考えを展開。また、「顧客は日に何通のメールを受け取っているのか考えてほしい」と、キャンペーンマーケティングも終わったと述べた。そして、これからはエンゲージメントの時代だと強調した。

エンゲージメントを高める方法として、同氏はハワイ旅行の購入を促すWebサイトを例に説明する。

例えば、ハワイのビーチの写真を掲載することがユーザー全員に響くかどうかはわからない。家族向けにはバーベキューの写真を提供し、カップルにはリゾート感のある写真、友達同士で参加する人にはアクティビティの写真を見せるべきだと話す。

さらに、ターゲットによってカスタマージャーニーも変わってくる。家族でハワイに行くことを検討している人たちは、メールを受け取った後、直接コールセンターに電話する傾向が多いのに対し、カップルや友達同士はメールやWebサイトで確認から予約まで済ます傾向にあるという。

そこで同氏は、「ターゲットに合わせた情報を提供、またその後、彼らがどのように推移して購入にまで至るのかを把握することで、エンゲージメントを高め、効果的なマーケティングが実現する」と述べる。

次ページ 「広告とモバイル領域の強化を発表」へ続く

マルケト
https://www.advertimes.com/special/marketo/

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