たとえば、ぼくは最近、娘の影響でディズニー/ピクサーのDVDばかりレンタルしていて、かつファミチキばかり食べている。
この情報だけでも「ディズニーファミチキ」を出せばよさそうだ。「ベイマックスまん」でもいい。
「ディズニーツムツム」に、新ツムとしてファミチキが出てきたら、迷わず課金する。
ファミマとDVDレンタルだけではない。データベースには、Yahoo IDに基づくあなたの日頃の閲覧履歴だってある。
Tポイントの提携先は、こんなにあるのだ。
そして、こうした情報は、2014年11月1日の発表で
しれっと「提携先に提供します。提携先だけなんで安心してネ」ということになった。
つまり、これら提携先は、ぼくらの趣味嗜好をビッグデータから拾って、商売に活用できるようになったのだ!
な……なんだってー!!
なんという、しれっと、であろうか。
かっこよすぎる。覚悟が違う。
「Tポイントカードはお持ちですか?」とファミマ全体で言わせるようになったいきさつには、真偽のほどは定かではない。ぼくが信憑性高い、と思う説は、
「だって言わなかったら、『何も言われなかったから、使えないと思っていた』と苦情が発生して困るでしょ」
という殺し文句である。
その結果、日本全国のファミマ店員が
「あのう、こんなこと聞くのは本当に申し訳ないんですけど、持ってませんよね、Tポイ……いやほんとごめんなさいっ!……ち、ちなみに、お使いになりますか?」
「いや大丈夫っす」
「で、ですよね!面倒ですもんね。794円になります。
あっ、肩にゴミが。あっ、茶柱」
などという態度を取らざるを得なくなったわけだ。
こんなの絶対おかしいよ。
おかしいけど、本当にかっこいい。
こういうグレーゾーンにもっと寛容になるべきなのだ、日本の企業は。