ヴィレヴァンの「俺たちの土俵」はどこにある?

95%の人に嫌われる店 5%の人に気に入られる店

東京のある店舗で働いていたとき、テナントビルへの入館者数やほかのテナント様の売上も見ることができた。その時そこで見た数字は、今も心に留めている。

そこで見た数字は、ヴィレヴァンへの入店率5%。
95%は素通りという事実だった。

この数字を見たあとに、スタッフとともに店の方向性を改めて共有するミーティングを開くことにした。

この貴重な5%の方が店内で夢中になり、思わずボーリングの球を忘れてしまうような店にしないと俺たちは生き残れない。

5%の方に思い切り満足してもらえるような店を目指そう。
それによって95%の方に満足されなくても構わない。

5%ではなく10%に気に入られる店を目指す方向性もあるとは思うが、内容が薄まる。
俺たちは大型書店でも大型雑貨店でもないから、到底、彼らに勝てるはずがない。

貴重な5%の支持者たちの深層心理を徹底的に掘り返して、「そうそう」「これこれ」と思えるような、他のお店では埋もれた情報を提供しよう。

モノもただ置いておくだけではなく、雑誌の記事のように、俺らのフィルターを通して、より価値のあるモノに感じさせる工夫をしよう。

人間らしく、常にユーモアを大切に。
機械でできるような店づくりはやめよう。

そんな話をスタッフとして、この行動基準に沿わない行動は徹底的に排除することで、ヴィレッジヴァンガードらしさを追求していった。

段ボール本棚

鉄パイプ本棚

次ページ 「俺たちの土俵はどこにある??」へ続く

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関戸康嗣(ヴィレッジヴァンガード 営業企画部リーダー)
関戸康嗣(ヴィレッジヴァンガード 営業企画部リーダー)

ヴィッジヴァンガード営業企画部リーダー。1999年ヴィレッジヴァンガード下北沢店に勢いで「入社したいんですけど」と言ってしまう。清貧の思想で薄給に耐えながらも、下北沢で文化発信の一端を担う。
その後「3カ月以内に売上改善できなければ閉店する予定だから」と言われながら横浜ワールドポーターズ店で店長デビュー。馬車馬のごとく働いて3カ月後には全国最下位の店舗を全国トップへ。ここでだいぶ寿命が縮まる。以後、仕事のブレーキが壊れたまま、下北沢店店長、自由が丘店店長をはじめ、主要首都圏店舗の店長を歴任する。
2006年から首都圏のエリアマネージャー、2011年震災後、東北エリアマネージャー。現在、本部にて、ヴィレッジヴァンガードのノウハウをまとめるプロジェクトのリーダー。最近では、他社の企業内研修やイベントでのPOPライティングセミナーの講師も務める。
ウェブサイト http://www.village-v.co.jp
Twitter https://twitter.com/vgvd
Facebook https://www.facebook.com/VillageVanguardOnline

関戸康嗣(ヴィレッジヴァンガード 営業企画部リーダー)

ヴィッジヴァンガード営業企画部リーダー。1999年ヴィレッジヴァンガード下北沢店に勢いで「入社したいんですけど」と言ってしまう。清貧の思想で薄給に耐えながらも、下北沢で文化発信の一端を担う。
その後「3カ月以内に売上改善できなければ閉店する予定だから」と言われながら横浜ワールドポーターズ店で店長デビュー。馬車馬のごとく働いて3カ月後には全国最下位の店舗を全国トップへ。ここでだいぶ寿命が縮まる。以後、仕事のブレーキが壊れたまま、下北沢店店長、自由が丘店店長をはじめ、主要首都圏店舗の店長を歴任する。
2006年から首都圏のエリアマネージャー、2011年震災後、東北エリアマネージャー。現在、本部にて、ヴィレッジヴァンガードのノウハウをまとめるプロジェクトのリーダー。最近では、他社の企業内研修やイベントでのPOPライティングセミナーの講師も務める。
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