電通は7日、傘下の電通スポーツ(カリフォルニア州)を通じ、米国のアスリートマネジメント会社アスリーツ・ファースト(Athletes First)に出資、株式33.3%を取得したと発表した。アスリーツは主に米プロフットボールリーグ(NFL)選手の契約を手がける企業。電通はアスリーツ・ファーストが持つNFL幹部や各チームへのパイプを生かし、米国でのスポーツビジネス拡大を狙う。
NFLは米国で高い人気を誇る。ことし2月開催の決勝戦「スーパーボウル」の視聴者数は1億1440万人に上り、米国のテレビ史上最多記録となった(ニールセン調べ)。放送権料も年々高騰しており、2007~13年の年平均額約19億ドル(約2280億円)から、2014~22年は約31億ドル(約3700億円)に跳ね上がった。ことし10月予定の試合では全米インターネット配信を行うことを明らかにしており、グーグル(YouTube)かフェイスブックか、契約相手に視線が注がれている。
アスリーツ・ファーストは2001年設立で、抱えるNFL選手の数では全米最大手。所属チームのほかにも、スポンサー企業やテレビなどメディア出演時の交渉を担う。2014年度12月期の収益は1000万ドル(約12億円)。
電通スポーツは同出資のために設立した100%子会社で、代表は電通スポーツ局部長の漆戸理氏が務める。
「電通」に関連する記事はこちら