数合わせのアイデアは出さない
2014年12月に公開された映画「妖怪ウォッチ誕生の秘密だニャン!」に合わせ、12月19日から2015年1月13日まで、ヤフーで「ニャフーで検索!妖怪かくれんぼ」キャンペーンが展開された。これはヤフーの運営するサービスのページ内に隠れている妖怪ウォッチのキャラクターを探すという企画だ。
妖怪かくれんぼの専用サイトはオープン初日から驚異的なPV数を記録し、まとめサイトには、「妖怪かくれんぼ、見つけ方・探し方」といったまとめが一般ユーザーの手で20件以上立ち上げられた。
また、専用サイトオープンから数日後には、YouTubeにかくれんぼ攻略動画が800件以上投稿される盛り上がりも見せ、SNS上でも反響を呼んだ。
狙い以上の成果だったと話すのは、仕掛人のひとりであるヤフーの演出プロモーションリーダー渡辺淳さん。妖怪ウォッチの世界観を壊さないよう注意しながら、サイトトップのロゴデザインや、妖怪を見つけると手に入るメダルのデザイン、メダルを図鑑に収めた際の音や光の演出など、ファンが喜ぶ要素を盛り込んだ。
「一緒に取り組んだノースショアと同社コンサルティングプロデューサー兼テクニカルディレクターの細川マサルさんの存在は非常に大きかったと言えます。こちらが求めると、すぐに5案程度のアイデアを提示してくれました。それも、方向性は同じで細部が少し違うだけという、色違いのようなアイデアを5種類ではなく、すべて切り口・方向性の違う案を5つ提案してくれました。また、ヤフーからの要望をアイデアにプラスして、新たに妖怪ウォッチの世界観に合わせて細部をリデザインしたり、スマートフォンからもスムーズに操作できるようにしたりといった工夫を凝らしてくれました」(渡辺さん)。
プロモーションは大成功を収め、サイト閉鎖後、SNS上には「妖怪かくれんぼが終わり、寂しい」「またやってほしい!」という声もあがった。また、子どもが親や祖母・祖父にお願いして、一緒に妖怪を探すという世代間のコミュニケーションも生まれた。