すぐに検討、実現できるチーム
ヤフーとノースショアが共に手がけたNHK紅白歌合戦の仕事では、紅白歌合戦の特設サイトとTwitterでの施策などを担当。
また、並行して年が明けたらすぐに更新するNHKの新春番組特集サイトの制作にも参画した。使える画像素材や企画への制約が少なくない中で、企画⇒検討⇒実現という流れをスピーディーに行う必要があった。
例えば、紅白歌合戦の魅力である即時性、リアルタイムでの共感を生かすために、ヤフートップページ上に視聴者のソーシャルでの動きを可視化する案を企画。
しかし、サーバーの負荷対応など課題が多く実施を見送った。そこで「紅白つぶやき合戦」と題してどーもくんを使い紅組、白組についての「つぶやき」を掲載する案を企画。どーもくんを動かすといった演出仕様、開発仕様など早急に対応し、実現にいたった。
「細川さんたちはこちらが実現したい企画について、当社プランナー、エンジニア、制作と一緒に実現可能かすぐに検討してくれるので、速やかに判断できますし、クライアントにも提案できる。また、フットワークが軽いので、何度も対面での打ち合わせができたのも有り難かった」(渡辺さん)。
そうした成果もあり、課題であった視聴者のNHK紅白歌合戦への視聴回帰を実現。また、同時並行で進めていた2015年1月1日からの「Yahoo!JAPAN NHK新春おすすめ番組特集」も無事にローンチを果たした。
お互いに気を抜けない緊張感
細川さんは制作会社として大切なことをこう話す。
「オーダーを形にするだけでは、クリエイティブ能力は錆びていきますし、クライアントが望む成果も不思議と出ないものです。特にいまは制作ツールが進化し、楽をしようと思えばいくらでも楽できる時代。それに抗い要望以上のデザインを提案したり、切り口の違う企画を生み出したりすることが大切だと思います」。
渡辺さんが、制作会社に求めている部分も同じだ。
「こういうアプローチも面白いと思いますがどうでしょう?と提案されると嬉しいし、受発注の関係を超えて一クリエイターとして対等に取り組んでくれていると感じ、お互いプラスになると思います。たとえ、付き合いが長くなっても、常に一段上を目指せる関係でいたいです。仕事が終わった時に、すごく大変だったけど新しいこと・オモシロイことを実現できた仕事だったねと言い合えることが理想です」。
両者が求めるハードルはまだまだ高い。渡辺さんは「ノースショアはプランニング能力の高い人材をさらに育てることができると思う」と期待を寄せる。対して細川さんは今後Web、紙、映像など多種多様な媒体でのアプローチを試みていきたいと話す。
常に質の高いデザイン・企画を求め合う中で生まれる緊張感や刺激のある関係性が、ヤフーとノースショアのつながりを強め、クリエイティブな作品を生み出していく。