CMづくりは「1%でも面白くしよう」と最後まで粘れるかで決まる

ホワイト家族CMの終わらせ方?

中村:今ちょうどホワイト家族の話があったので、ラジオネーム「私気になります」さんからいただいた、「ホワイト家族の澤本さんの理想の終わり方が気になる」という。

権八:僕も気になりますよ。でも、言えないでしょ、澤本さんはこの場で。

澤本:言えないというか、「どうしたら終わらせないか」ということしか考えてない。

中村:キャンペーンで「ホワイト家族はじまる」みたいなものはありますけど、「ホワイト家族終わる」みたいなものはあまり見たことがないんですけど、それなりにフィナーレはつくるんですかね?

権八:ものによるね。ほとんどないけど、今パッと思い出したのは、昔、JRAで木村拓哉さんが歌って、「ジュニア、いいじゃない」と言って、急にミュージカルになるという。その最後の回が「今年、最後のメモリアルレース、嬉しいけど、寂しいね。これでお別れ~♪」と木村さんが歌うと、オーディエンスが「なんで?」と聞く。すると、木村さんが「だって、契約切れたから」と答えるという。要するに木村さんとJRAの契約が終わるということをCMで言っちゃうという。あれはなかなかかっこよかったですね。

澤本:終わらせ方を考えるというのもあるけど、目の前にある次のものをどうしようっていうのばっかりだからね。

権八:その積み重ねですからね。

澤本:本当はお父さんの葬式とかで終わりたいけどね。CMで葬式をやっていいのかね。

権八:なかなかCMでお葬式ってシチュエーションは描けないんですよね。

澤本:本当に終わる時期がココだって決まってたら、「お父さん病気になる」っていうのをつくって、最後はお父さんの葬式でみんなが「いい人だったね」と言って、それなのに「ソフトバンクを買ってくれ」みたいなメッセージをするんだろうね。

中村:なぜ、お父さんが犬になったのかという謎が解明されていないじゃないですか。

澤本:全然解明されてないね。この間、ちょっと解明しそうになったけど、また逃げちゃったからね。

権八:僕はいつかお父さんの人間時代が描かれるのかなと思っていて。でも、それは遠い先だろうなと思ったら、あっさり染谷将太くんだったんだっていう。これは結構ショックで(笑)。

澤本:あれも事情でね、つまり、白戸家には学生がいないわけよ。だから、学割のCMをするときに学生をつくらなきゃいけない。去年とか、一昨年はムリヤリ家族に制服着せて、コスプレ状態になって(笑)。でも、またそれでいくわけにいかないから、窮余の策で広瀬すずさんと染谷くんに出てもらって。それで、お父さんとお母さんの昔という話になったんだけどね。そこからまた話をつくらなきゃいけない。その状態から、どうして今のこのような有様になったのかというのをね。それはまだ考えてない。

中村:構図を継ぎ足していってるんですね。

澤本:サグラダ・ファミリアみたいなもんです(笑)。ちょっとずつ、つくって。意外と飽きちゃうじゃない、ずっとやっていると。

権八:つくっているほうが先に飽きるんですよね~。

澤本:それで言われたの。孫正義って偉い人に「飽きてるのはオマエラだけじゃい!」って言われて、「そうです、すみません…」と。

権八:僕も自分でつくっていると飽きるから、違うことをやりたくなっちゃうんだけど、そこはグッと堪えないといけなかったりするんですよね。

中村:はい、このへんで今週もお開きです。番組へのご意見やご感想、お悩みなどはドシドシsuguowa@tfm.co.jpまでお願いします。そして、今夜も番組で応援しているプロジェクト「野球・ソフトボールを東京オリンピックの正式種目に!」テーマソングのTRICERATOPSの『Shout!』を聞きながらお別れです。

<END>

構成・文 廣田喜昭

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