「健康価値を商品化する」~機能性商品のマーケティング+α

健康・美容ビジネスのマーケティング~ターゲティングと戦略PR

健康・美容を謳う商品ではターゲットのインサイトとリテラシーの構造的解析が重要である。商品に対するターゲットの状態は4つに分類される。

  • 関心があり、知識もある層[関心(+)知識(+)]
  • 関心がなく、知識はある層[関心(-)知識(+)]
  • 関心があり、知識がない層[関心(+)知識(-)]
  • 関心がなく、知識もない層[関心(-)知識(-)]

これらのターゲットにはそれぞれ発信するメッセージを変える必要がある。

  • 関心があり、知識もある層 → 幸せ訴求
  • 関心がなく、知識はある層 → 激励訴求(感情介入型)
  • 関心があり、知識がない層 → 激励訴求(情報支援型)
  • 関心がなく、知識もない層 → 恐怖訴求

健康・美容をウリにする場合、「〇〇しないと××になる」という恐怖訴求を選択しがちだが、それに応える層はごくわずかである。ターゲットごとに、明確にメッセージを分けて発信ことが大切だ。

また、健康・美容に関する情報は難解かつ不快な用語が多く、自分に関連する情報(自分ゴト)として認識されにくい。そのため、関連性を高める施策が必要である。例えば、「内臓脂肪型肥満」と「中年太り」。「内臓脂肪型肥満」と言われても難解で伝わりにくく、「中年太り」と言われると不快なだけで自分ゴトにならない。これを「メタボ」という言葉によって、認知効果を高め、処理労力を下げたように、戦略PRも重要となる。

このように健康や美容の価値を商品化するためには、健康・美容の機能性商品ならではのマーケティング戦略とコミュニケーション設計が大切である。予防や保健に敏感なシニア層や健康リテラシーの高い富裕層を中心にますます規模が拡大する「健康・美容市場」。健康・美容領域ならではのマーケティングを駆使して、ビジネスを成功に導くことが可能だ。


西根 英一さん連載のコラムはこちら

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