口説き文句研究と、スポーツ研究と。

21世紀に流行るスポーツには、法則があった。

バブルサッカーが何故、
スポーツ弱者を含めたあらゆる層から支持を受けているのか。
僕はバブラー(バブルサッカープレイヤー)をつぶさに観察することにしました。
また、試合終了後のバブラー達に
「どこが楽しかった?」とインタビューしてみました。

楽しいからには理由がある、はず

すると幾つかの法則が明るみになってきました。
なんとバブルサッカーには、

「勝ったら嬉しい。負けても楽しい。」

という特性が備わっていたのです。
既存スポーツの多くは、勝てなかったら悔しいし、
そのまま嫌になって辞めてしまうケースも多いです。
だけどバブルサッカーなら、勝利至上主義の人は勝ったら嬉しいし、
もっと練習してうまくなりたいと思う。
一方で、ただバブルでボヨンボヨンしたいだけの人も楽しめるのです。
それは「多様なプレイスタイルが認められているスポーツ」とも言えます。
19世紀以降に勃興した近代スポーツの多くは、
一義的で、「より早く、より高く、よりなんちゃら」的な思想が
絶対君主的にのさばっていました。
でも、これからのスポーツは「負けても楽しい」をいかにデザインするかが、
とても重要だと学びました。
そこには幾つかのやり方がありますが、
「はしゃげるかどうか」が一つ観点としては分かりやすいかと思います。
勝負に負けたとしても、思いきりはしゃげたとしたら、
ストレス発散など他の目的が達成されます。
つまり、「勝利」以外の目的を用意する、
スポーツ制作側のホスピタリティが重要なのです。

もう一つだけバブルサッカーから抽出した
次世代スポーツの法則をご紹介します。それは:

「フォトジェニックであること。」

言い換えると、スポーツとして「写真うつりがいいかどうか」です。
ここで言う写真うつりとは、
「あらゆる人の脳裏に楽しく焼きつく」という事です。
それは必ずしも美しくなくていい。アホでもいい。
だけど、一目見れば釘づけになり、
(これなら自分でもできるかも)と瞬時に思い、
そして次の瞬間にSNSでシェアしたくなる。
そんなフォトジェニックさです。
動画のキャッチーさもさることながら、
コミュニケーションスピードがシビアに求められる昨今においては、
やはり「静止画で映える」ことの方が重要です。

この2つの法則を同時に満たしていくことが、
次世代スポーツを創るための鍵ということが
徐々に分かってきました。

バブルサッカーを輸入し、
そして勝利の方程式(自称)も手にしました。
さて、ここからどのようなスポーツが誕生するのでしょうか。
つづきはまた来週。

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澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)
澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

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