ツイートの3分の1が「ソース」の話題、商品化へ
結城:ソーシャルリスニングやデータ分析を駆使して成功した事例で、偶然の機会を見事にものにした“Twitter Moment” とは別のソーシャルメディアキャンペーンなどがあったら、ぜひご紹介いただきたいのですが?
Martin:2013年に私たちソーシャルチームがデータ分析をしていたところ、面白いことが分かったのです。Arby’sのソーシャルメディアで語られるツイートの1/3が、実はソースについてだということです。
特にホースィーソース(わさびのように辛いソース)は人気で、こういったソースをたくさん盛っておかわりする人、それから自分のボトルを持ってきて、わざわざ詰め込んで家に持って帰る人までいて(笑)…ファンは本当にArby’sのソースが好きなのです。
結城:へぇ、そうなのですね! しかしまあ、すごい量のソースを皆つけるのですね、いやあ、こんないっぱいのソースのTwitterやInstagramを見ると、ほんとに大好きなのだって分かりますね(笑)!
Martin:なかには、「こういうふうにソースを瓶にいれて売ったらどうなの?」とツイートした人のおかげで「こんなに人気ならソースを製品化したらいいんじゃないか?」ということになって…そのことを製品開発部やマーケティング部に伝えたわけです。
そこから生まれたのが、Arby’s Sauce のパッケージ商材です。
結城:おー、これは凄い! これならファンの方は、いつでもArby’sソースを使って、なんでもお料理できちゃいますね!? そこから生まれたのが、例の「スーパーポカリプスキャンペーン」ですね?
2013年8月26日にローンチされたスーパーポカリプスキャンペーンのムービーポスター
Martin:はい、そうです。新商品ローンチはこれまでもやってきましたが、このソースポカリプスほど過去に成功した新商品はないように思います。
結城:このキャンペーンは、2013年秋にローンチされたそうですが、その成功に至ったプロセスを少しご共有いただいてもいいですか?
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結城彩子 Ys and Partners(COO/ブランドストラテジスト)
結城彩子 Ys and Partners(COO/ブランドストラテジスト)
30年を超える日米両国でのブランドマーケティングの経験を持つストラテジスト。
グローバルエージェンシーのJWTにて、ユニリーバのLUXブランドの立ち上げ、De Beersダイヤモンドの日本市場での成功に寄与。
1999年に渡米、2002年に米国法人 Ys and Partnersを共同創業。2005年にワイズアンドパートナーズ・ジャパンを立ち上げ、LA+東京+横浜の3拠点から、日本国内はもとより日本から北米に展開するジャパンブランドのマーケティングを支援している。
ブランド戦略構築からクリエイティブ、デジタルマーケティング、販路開拓コンサルティングまで、統合型マーケティングコミュニケーションの専門家チームを率いる。
LAを拠点に、日米のオフィスを往復しながら、その傍らで大学・行政機関などの依頼で講演や執筆を続ける。ICU卒業。TESL認定教師、アメリカンマーケティング協会/OCPRSA/JASSC会員として活動中。
結城彩子 Ys and Partners(COO/ブランドストラテジスト)
30年を超える日米両国でのブランドマーケティングの経験を持つストラテジスト。
グローバルエージェンシーのJWTにて、ユニリーバのLUXブランドの立ち上げ、De Beersダイヤモンドの日本市場での成功に寄与。
1999年に渡米、2002年に米国法人 Ys and Partnersを共同創業。2005年にワイズアンドパートナーズ・ジャパンを立ち上げ、LA+東京+横浜の3拠点から、日本国内はもとより日本から北米に展開するジャパンブランドのマーケティングを支援している。
ブランド戦略構築からクリエイティブ、デジタルマーケティング、販路開拓コンサルティングまで、統合型マーケティングコミュニケーションの専門家チームを率いる。
LAを拠点に、日米のオフィスを往復しながら、その傍らで大学・行政機関などの依頼で講演や執筆を続ける。ICU卒業。TESL認定教師、アメリカンマーケティング協会/OCPRSA/JASSC会員として活動中。
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