ファンを巻き込む”共創”コンテンツマーケティング

ユーザー目線が変えていく、これからのコミュニケーション

——コンテンツマーケティングをする上で、注意していることはありますか。

藤原:ニキペディアの編集方針として、基本的に自社商品のことを書かないというのがあります。従来の広告のように自社商品をただ訴求するのではなく、ユーザー目線で、ニキビに関連する情報を発信するということです。兵法で言われるような「敵は近くに置け」ということではないですが、ユーザーから見たとき、自社・他社商品にかかわらず一つひとつの商品に良さがあるはずです。商品を売る側は、「競合商品のいいところはここだけど、うちの商品はここが勝っているよね」と、自社の売りを意識してコンテンツをつくりがちですが、ユーザー目線でコンテンツをつくることで、初めてユーザーに信頼されるメディアがつくれ、会社にも信頼感を持ってもらえるのではないでしょうか。サイトを見ている人も納得して商品を購入することができると思っています。

江藤:「忍者女子高生」では、製品は動画のほんとに最後のシーンにしか出てきません。元々1000万回再生を目指して制作していたので、テレビCMをつくる王道の考え方はやめました。もっと製品をだしていたらここまでの再生数にはならなかったと思います。それより、このような動画の場合には秒数の制限がないので、さまざまな価値観にはまるよう色々なところに「仕掛け」を散りばめる、といったことを意識しています。「忍者女子高生」の動画も、高所から飛び降りる「アクション」、まきびしなどの「忍者らしさ」、神社に手を合わせる「日本らしい礼儀正しさ」など、見た人それぞれに引っかかるポイントが違いました。SNSでそれぞれの好きなポイントを皆さんで話題にしていただく中で、自然に「C.C.Lemon」の好意醸成につながったのではないかと思います。

——今後の取り組みや考えをお聞かせください。

藤原:我々は、ニキペディアというテキストベースのコンテンツを運営し、ひとつ成功事例をつくれたと感じていますが、まだまだ新しいチャレンジをしていきたいと思っています。実はニキビTVというような、ニキビ動画のチャンネルをつくろうかと、今現在試行錯誤しています。LINEの公式アカウントも開設したので、そこでは若年層向けの動画を流そうと考えています。

江藤:デジタルメディアは一般化し、若年層だけではなく、30代40代の方もターゲットになってきています。ただ、そういった方に対してどうアプローチすべきかはまだはっきりとわかっていません。だから、成功も失敗もあります。また成功例を違うブランドで水平展開しても同様に成功するとは限りません。ですので、コンテンツを軸としたコミュニケーション手法をトライ&エラーしながら確立していく段階だと思っています。


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