この状況を打破するために、「BAPA」という学校をはじめた。
PARTYと、インタラクティブ業界の雄・バスキュールがはじめた学校だ。
BAPAは、この業界のトキワ荘、カッチョよくいえばバウハウスみたいなことがやりたくて運営している。
いやバウハウスがなんだかよくわかってないで書いているが。
プログラミングのイロハを教える学校、広告のイロハを教える学校はたくさんある。
ビジネスとしての学校ではなく、未来の人材をつくって業界をワクワクする人材を輩出できるか、ということにフォーカスしてつくっている。
ということで、宣伝会議さんとは競合ではありません。
第1期を経て、第2期になり、これがかなりヤバいことになってきている。
まず、講師がヤバい。
第1期もオーバースペックと言われるほどのすばらしい講師陣を用意したが、
今期は、カイブツ木谷友亮さん、電通菅野薫さん、tha中村勇吾さん、辻川幸一郎監督、ライゾマティクス石橋素さん、というすごいラインナップのゲスト講師をお迎えできた。
(ぼくなぞはどうでもいいが)
講義は、極力実践型にするため、講義を聞いていても充分に聴き応えがあるが、泣いて講義は最低限にし、ほとんどの時間をワークショップ形式にしている。
生徒は毎回プレゼンをデザイン・実装のカタチで出し、講師がアドバイスする。
そして、生徒がヤバい。
メーカーの技術部、広告代理店のアートディレクター/デジタルプランナー、プロダクションのエース級の人材、ギーク女優、モチベーションの高い大学生からなっているが、生徒全員、発想力、技術力ともにすばらしい。
もう、ぼくなどは引退したほうがいいんじゃないかとさえ思ってしまう。
講師と生徒が繰り広げるやりとりは、毎回目を離せないくらいにエキサイティングだ。
卒業制作がヤバい。
BAPAの卒業制作は、「実際につくってみんなに見てもらう」というルールがある。
自分でもやってみたくなるような課題を用意しよう、ということで、
「アイドルのライブを、テクノロジーでなんとかしてください」というテーマにした。
アーティストのCDがまったく売れなくなってライブに価値が集まる時代、どのようにライブならではの価値をつくることができるか?アーティストのリアルタイムの心拍数がステージ上に共有され、AR、全身LED、曲に呼応するリストバンド、などというライブ×テクノロジーが百花繚乱する時代に、BAPAは新しいライブエンタテイメントを生み出せることができるだろうか?
pixivさんに、もうすでにネクストブレイク必至、の声名高い「虹のコンキスタドール」をお借りし、神をも恐れないような提案を生徒にしてもらう。提案したものは実際につくって、ヒカリエホールで実際にライブを行う、というものだ。
きっと、本番のライブは、全9チームによる、今まで見たことのないようなしくみがアイドルと組み合わさった、ハラハラドキドキするものになるだろう。
ぼくら運営側は、失敗してライブに穴を開けるチームがいないか、ハラハラドキドキである。
そして、ここだけの話、予算がヤバい。
当たり前だ。生徒の入学費は12万円だが、120万円くらいの価値を残そうとしてやっているのである。
「ヒカリエホールでイベントする」ということがどれだけ大それたことか?
見積もりを見て思い知った。
詳しくは言えないが、バスキュール・朴社長の目玉は飛び出た。
ぼくも36歳になって、ひさしぶりに「ホゲー!!」と言った。
こんな「ホゲー」何年ぶりかしら、というくらいの鮮やかな「ホゲー」が出た。
もうこれは「何のためにやっているんだ」というくらい、赤字である。
大事なことなので、もう一度言おう。赤字である。
しかし、PARTYやバスキュール、周囲をつき動かすような燃えさかる何かが、BAPAにはある。
燃えているのは火の車だけではない、はずだ。
もし興味がおありな方は、ぜひ7月末のライブを楽しみにチェキラしてほしい。
さらに興味がおありな企業は、ぜひスポンサーしてほしい。
きっとそこにインタラクティブのバウハウスがあると信じて。
いやバウハウスがなんだかよくわかってないが。
【最近の中村洋基】
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