ハンドソープボールが生まれた夜

バブルサッカーはある意味「障害スポーツ」です。
何故ならそれは、基本「上半身(両手)を封じられる障害」が
平等に与えられるスポーツだからです。
では今回は、平等に手に障害を与えることはできないだろうか。

ここでふと、
手がツルツルになった状態でハンドボールをやったら
楽しいのではと閃きました。
ツルツルになると動きが制御不能になる。
その不確実性が障害となり、フラットさを生む。
かつそれが、「負けても楽しい」というエンタメにもなる。
ドキドキしてきました。
益々眠れません。
今一度鞄の中にパスポートがあることを確認し、
僕は考えを深めることにしました。

大事なのはネーミング。スポーツの名前です。
キャッチーで、一瞬で目を奪える名前かどうか。
コピーライターとしては燃えます。
例えばこれはどうだろう。

ツルツルハンドボール

さすがにストレートすぎます。
じゃあ例えば…

ヌルヌルハンドボール

なんか嫌だ。これは嫌だ。
もっと、限りなくハンドボールに近い言葉はないだろうか。
既知の固有名詞をベースにした方が、
理解スピードが早くなるのは自明です。
そこふとあるネーミングが自然と浮かびました。

ハンドソープボール

スポーツとハンドソープ。
正直とてもアホです。
でもそれがキャッチーさにつながっています(多分)。
ツルツルのハンドソープを、
手につけてプレイするハンドボール。
ちょっと面白いかもしれない。
フォトジェニックな画にもなりそうです。

その流れで、ハンドソープボールの基本ルールを決めました。
それは、試合開始直前に全選手がハンドソープを手につけ、
試合中にボールを落とすとハンドソープを追加するという
分かりやすいルール。
また、「ソーパー」という、
ソープボトルを補充する審判がいると良さそうとか、
熟考するうちに気づいたら朝になっていました。

その後旅行には無事に行けたのですが、
青い空と青い海をながめながらも、
ずっとハンドソープボールの事を考えていました。

次ページ 「ベストなハンドソープに辿り着かない日々。」へ続く

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澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)
澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

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