会社よりも「自分がやりたいこと」がベースとなる社会
——最近の社会動向や消費者動向で、特に気になっているものはありますか?
まだうまく言葉にしきれていないのですが、「働くって何だろう?」ということについてより深く考えるようになりました。最近は、昔に比べてずいぶんと独立しやすくなり、個人の力で仕事をしやすくなりました。その中で、会社に所属する意味はどこにあるのか、と考えることが増えています。
以前のような「会社に所属していないと不安で生きていけない」という感覚がどんどん薄れていっていると思います。むしろ今は会社よりも「自分がやりたいこと」を中心に動いているような気がしますね。そして、その気持ちの変化に社会がまだついていけてないように感じています。
実際、弊社に入社する人もそういう考えの人が多いのです。「自分の人生は自分でコントロールしたい」という考え方が若い人を中心に広がっているのに、そういう関係性を受け入れる会社が少ないのではないでしょうか。
——今後の事業展望をお聞かせください。
これまでは「NP後払い」、つまりBtoBtoCの事業を主力として伸ばしてきましたが、これから先はBtoB向け決済事業に大きな伸びしろがあると感じています。「NP後払い」で得た「小額決済の与信力」と「大量のトランザクションに耐えうるオペレーション」は、大きな強みだと思いますので、この強みを生かしてBtoBの小口決済を拡大していきたいですね。個人事業主の方が増えている昨今、そういった方々に対して信用供与ができるビジネスモデルは時代にもマッチしていると感じています。
柴田 紳
ネットプロテクションズ 代表取締役社長
1975年福岡県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、1998年日商岩井(現・双日)に入社。2001年 ITX入社、同年ネットプロテクションズ出向し、「NP後払い」決済を構築。04年に社長に就任し、転籍。現在に至る。