映画やテレビ番組といった動画コンテンツを違法に視聴したりダウンロードできる、いわゆる「海賊版サイト」が2014年に得た広告収入は、約220億円(2億900万ドル)に上ることが分かった。米NPO法人デジタル・シチズン・アライアンスが19日に発表した。コンサルティング会社メディアリンクとの共同調査で、海賊版サイト589サイトを調べた。
特に違法動画ストリーミングサイトの広告収入の伸びが著しい。2014年には前年比約1.7倍となる48億円(4600万ドル)以上の広告費がこうしたサイトに消えたという。月間の個別訪問者数500万人超の大手サイトが3カ月間で得る平均広告費収入は、約8900万円(84万6700ドル)。2013年の2.7倍と急伸した。
こうした大手の違法動画サイトの広告収入が増加している背景には、動画広告市場の拡大がある。広告主企業が動画広告に積極的になるほど単価が上がり、違法サイトの収入増にもつながっている。米インターネット広告協会の調査では2015年の動画広告費は、米国だけでも1200億円近くにまで上る見込み。また企業の宣伝担当者の7割が「オンライン動画広告の予算を増やす」とも回答している。
大手の違法ストリーミングサイトの3割近くには、著名なグローバルブランドの広告が配信されたことも判明した。調査を通じて132の著名ブランドの広告が確認されたという。その中にはトヨタやホンダ、日産、マツダといった自動車大手のほか、キヤノンの名前も挙げられている。
最も使われているアドネットワークは、グーグル子会社のダブルクリックで109サイト。2位のアドキャッシュ(本社=エストニア)の2倍近くに上る。オープンXは4位で43サイト、アップネクサスは8位で34サイト。ルビコンプロジェクトは24位で10サイトだった。