志は高く、目線は低く。

リラックスして考えることについて。

普通の心で考えることと同じように、リラックスして考えることもとてもたいせつなことだと思っています。リラックスして自然体でものごとを考えることはあんがい難しいことです。考えるときにはつい余計な力が入ってしまいがちで、そういう状態ではいいアイデアはなかなか浮かんできません。

当時の僕たちの打ち合わせ時間はひじょうに短かったです。各人が企画をそれぞれ考えて持ち寄り、いいものはいい、あかんものはあかん、という具合でだらだらとはやりませんでした。人間の集中力には限界がありますしね。

で、企画の打ち合わせが終わると世間話が始まります。いわゆる井戸端会議状態です。人の失敗話とか街で見かけたへんな人の話とか、まあいろんな話が入り乱れてすごくもりあがるわけです。そういうときに、「あ、こんな企画どうやろ?」と誰かがアイデアを思いつくことがよくありました。

みんなであほな話をして笑ってるうちに、全員の気もちが自然にリラックスしてくるんだと思うんです。前もって各人がいろいろ考えてきてるから、そういうリラックス状態のときに、何かと何かが化学反応を起こして、とつぜんアイデアが発火するんじゃないか、と。

実は、今回ご紹介した貧乏神の企画も、石井さんと僕との打ち合わせ後の雑談中にできました。

打ち合わせを終えて、若い女性から借りたへんな人形を二人で見ながら、

「気色わるい人形やなー」
「なんで、こんな人形が流行るんやろ?」

みたいな会話をしているときに、

「あ、関空ができて景気がよくなって、貧乏神がたまらず関西から出ていく」

という企画はどうやろか?となったんです。そこからは、ほんの数分で企画にまとまりました。

一人で孤独に企画するという時間はもちろんだいじだと思いますが、みんなでリラックスしながら考える時間もだいじだなあと思います。

次ページ 「テレビの前の2~3人に。パソコンの前の1人に。」へ続く

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山本 良二(電通関西支社CRプランニング局 局長)
山本 良二(電通関西支社CRプランニング局 局長)

1958年福岡県生まれ。1980年㈱電通入社。関西支社クリエーティブ局にてコピーライター/CMプランナーとして勤務。現在、関西支社CRプランニング局 局長。TCC新人賞、TCC部門賞、OCC新人賞、OCCクラブ賞、ACC郵政大臣賞、ACCゴールド・シルバー、ACC最優秀地域テレビCM賞、読売広告大賞最優秀賞、朝日広告賞部門賞、フジサンケイ広告大賞、毎日広告デザイン賞部門賞、広告電通賞、サントリー奨励賞、ニューヨークADC賞など、受賞多数。

山本 良二(電通関西支社CRプランニング局 局長)

1958年福岡県生まれ。1980年㈱電通入社。関西支社クリエーティブ局にてコピーライター/CMプランナーとして勤務。現在、関西支社CRプランニング局 局長。TCC新人賞、TCC部門賞、OCC新人賞、OCCクラブ賞、ACC郵政大臣賞、ACCゴールド・シルバー、ACC最優秀地域テレビCM賞、読売広告大賞最優秀賞、朝日広告賞部門賞、フジサンケイ広告大賞、毎日広告デザイン賞部門賞、広告電通賞、サントリー奨励賞、ニューヨークADC賞など、受賞多数。

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