【前回の記事】「コピーに関係する、「レイアウト」の話を少々。(前編)〜ラフスケッチは「原寸!手描き!」が原則〜」はこちら
同じ広告デザインでも、ポスターやイメージ広告の「グラフィック系」の場合は、デザインそのもののセンスやインパクトが問われます。そのため発想の奇抜さやオリジナリティーが求められますが、「エディトリアル(編集)系」のデザインは、読者の「ガイド役」として機能させることが大切です。
雑誌や新聞などを読む時、読者が文章をたどる目の動きは、タテ組みなら右上から左下へ、アルファベットの「N」の形のように流れます。ヨコ組みなら左上から右下へ「Z」の流れ。長いボディコピーは、この導線に沿って段組みを組んで流し込みます。読み手がスムーズに読み進められるように、写真の置き位置を工夫したり、途中に罫線を引いたりしながら、読み終わりまでの視線をコントロールするのが「編集デザイン」の役割です。
配慮するのは「読みやすさ」ばかりではありません。本文の内容と、それを補うビジュアル(写真、イラスト、図表など)が、なるべく近い位置に来るように調整して「理解しやすく」します。なかなかうまくいかない場合もありますが、ここがズレてしまうと読み手の印象が半減してしまいます。バスガイドさんが「ここから3キロ先にスカイツリーがあります!」とアナウンスしても、その時、目に見えていなければピン!ときませんよね。通販広告は「一発勝負」ですから、伝える要素は「文字」と「ビジュアル」の合わせ技で、一つずつ確実にインプットさせるように「機能」させたいのです。
広告のレイアウトでもっとも大切なこと。それは「ヘソ」を作ることです。通り過ぎようとする人を立ち止まらせる、一番「目立つ部分」と言えばいいでしょうか。雑誌記事の場合なら導入部がヘソです。読者はその記事を読むかどうか、最初のタイトルとメインビジュアルを見て1秒以内に決めるのだそうです(かつて僕が通った編集スクールの先生が言ってました!)。